66弾
シリーズ生活習慣病 第66弾!2011.12月号
「インスリンと養子」
前回のインスリンの話題はものすごい反響で、『自分で注射をしたい』という
患者さんが後を絶ちませんでした。
今までどんなに熱心にすすめても、『はい』と言わなかった患者さんでも、
嬉々としてインスリンの打ち方を習う姿には、やや複雑な気持ち…。
とはいえ、当然のことですが、皆さん血糖値は改善し、スタッフと手を取り合い
喜んでいらっしゃいます。
しかし、世の中には理不尽な落とし穴が…。
金城先生がいつも怒りをあらわにする事件簿がいつくかあります。
「インスリンと判り、面接で落とされました。」
低血糖をおこすと大惨事になる飛行機のパイロットならまだしも、
一般的な労働は全く問題無いことは、これを読んでくださる方なら
すぐ御理解いただけるはず。差別もいいところですよね!
ましてや糖尿病の方が就職出来ない世の中にでもなれば、
日本の労働者の2割は失業します。
「インスリンの方は無理、と言われ、親が施設に入居出来ず…。」
急性アレルギーショックから命を救う、[エピペン]という携帯用注射は、その場にいる人が
誰でも打つことが出来る、いわば[AED]同様に医療行為にあたりません。
それなのに、インスリンは医療行為のため、介護スタッフは注射出来ないからと、
本当はインスリン注射が必要なのに、入居したいために飲み薬だけで治療を続けて
高血糖が続いている…考えられない悪法です!
去年の9月、サンフランシスコ郊外の公園に「親子の人種が違う」家族の写真が新聞に。
国際養子のNPOでめぐり合った、ニコニコ顔の親子の姿…。
とても感動致しました。
養子という選択肢がごく普通に語られる日が来ることを願いつつ、
「ああ、インスリンの人ね。別に問題ないですよ。」という言葉が
ごく普通である日が来ることも、願わずにいられません。
今年も頑張って行きましょうね。