110弾
シリーズ生活習慣病 第110弾!2015.08月号
どちらも
最後まで手に汗にぎる素晴らしい試合!
高校球児たちの真剣で、清く正しいその姿に、
どの試合も目頭が熱くなるこの時期。
今年の夏の甲子園 決勝戦は、
東海大相模 vs 仙台育英 という好カード!
地元、神奈川の勝利を願いつつ、
被災地、東松島を支援している私にとっては、
宮城県にもがんばってほしい…
どちらにも、応援のエールを送りました。
どちらもといえば、夏の熱中症対策の「塩分」
血圧が高い/腎臓が悪い 場合… どちらにも塩分は敵!
これは、このコラム読者の皆さんにはもう常識。
では、スポーツ飲料や塩あめは…?
まず、われわれのような一般人は、
水分をしっかりとれていれば大丈夫。
塩分は、食事で多すぎるくらいとれていますし、
皮下には数ヶ月分の塩分が蓄積されています。
心配な方は、ミネラルの多い麦茶がおすすめです。
スポーツ飲料は、糖尿病患者様では、
血糖値が上がるため、おすすめできません。
いっぽう、高校球児のようなアスリートや
炎天下で作業をされている方は、大量の汗とともに
塩分が急激に出てしまう(水分の吸収力も落ちている)ため、
塩分入りのものが必要な場合があります。
どちらの場合も、主治医との相談を忘れずに。
それにしても、まだまだ暑いですねぇ…
大好きな夜の水分補給が恋しいです(笑)
109弾
シリーズ生活習慣病 第109弾!2015.07月号
もっと早く
ご存知ですか?
『御朱印めぐり』
御朱印帳と呼ばれる手帳に
神社やお寺の方が、筆で
日付や名前、フレーズを書き
最後にハンコを押してくれる…
聞いたときはピンとこなかったのですが
実際、経験すると「楽しい♪」こと!
「今日はどの地域を巡ろうかなぁ」
と行き先を決めたら、
次男と一緒にリュックでレッツゴー!
可能なかぎり歩きます。
目当ての神社・お寺に着いたら
有名なところは混雑していて並んでいるので
さきに「御朱印受付」を探し、例の手帳を提出。
一冊一冊手書きなので、
その場で書いていただける場合と、
整理番号をもらうパターンなどさまざま。
目の前で書いていただける場合は、かなり感動的。
「すごいなぁ!」
なんでそんなに上手に、筆で書けるのか不思議です。
御朱印にも、それぞれに個性があって
まさに芸術作品です。
1日でかなり歩くので、運動にもなるし、
神聖・新鮮な空気も吸えるし、
もっと早くから巡っていればよかったです。
「もっと早く」といえば、
最近、患者様が「歩けない、認知症になった」など
さまざまな理由で来院できなくなることがあります。
そのような患者様のためにチームを組み、
在宅(往診)で、糖尿病の治療を始めました。
「なんでもっと早く…」と大変喜ばれました。
もっと早く…ということ、
まだまだありそうですね。
108弾
シリーズ生活習慣病 第108弾!2015.06月号
自転車とお餅
おかげさまで、鶴間のクリニックが今月で7周年!
その7年前の、開院前日の事件…
車でクリニックに向かっていた私。
高速が渋滞だったため、一般道におりて
『大正解♪』と思った瞬間、
目の前にふられた大きな旗…
誤解です!
そんなにスピード出していないんだけどなぁ…
それを機に、私は決意をしました。
【完全にルールを守る!】
今では完璧に速度厳守。
一時停止は二段止まり、踏切は窓明け、
左折は左ライン寄せ…
規則を守ると、それぞれの理由がわかってきました。
なんでこんなところを30km/hで?と思っていたのも、
最近は、なるほどと思えてきました。
テレビで、
「車の性能が上がったんだから速度も上げるべき」
なんて意見もありましたが、慎重な検証が必要ですね。
誤解といえば、深刻な誤解があります。
歳をとり、飲み込む力も衰えていることに気がつかず、
お餅をのどにひっかけてしまったり、
いままで上手に乗れていた自転車が、なぜ…?
転倒しケガをされる患者様がいらっしゃいます。
70歳を過ぎたら『お餅と自転車は禁止!』
ちょっと最近、物忘れが…となれば
車の免許も考えないといけませんね。
そういえば
『そんなに食べていないのに…』
なかなかやせない患者様のカロリーの誤解、
気持ちは本当にわかります!
107弾
シリーズ生活習慣病 第107弾!2015.05月号
手紙
「あれからメリハリつけて楽しく食べて生きています!
これ、読んでもらえますか?」
と、患者様からお手紙をいただきました。
『糖尿病治療にて長い間御世話になっています。
5/7、初期がん再治療について 種々金城院長先生に
今後の対応など相談させて頂きました。
その際 先生の親身になっての相談を受けて頂き
大変うれしかったです。
昔よく言われていましたことばに
「病気を治す前にまず心の病を治せ」
最近ではまったく見られません。
まさしく今回の先生の対応そのものです。
患者にとりまして、なにより心強く、感謝です。
又少し話が変わりますが、このクリニックの先生、
看護師、スタッフの方々皆様全員
笑顔で優しく明るく対応してくれています。
これほど多数の方々が居れば「1人ぐらいは…」
と思いますが、1人もいません。
これは院長先生の指導でもあり誇りです。
どうしても一言御礼が言いたくて、
失礼と思いましたが一筆書きました。
ありがとうございます!!』(原文通り)
…お手紙を手渡され、その場で読ませて頂き、
泣きそうでした。
その時は私たちが患者様を元気づけ、
いま、患者様から力をいただきました。
我々はよい医療ができているという自負に加えて
ますます頑張らねば…と。
うれしかったお手紙を紹介させていただきました。
106弾
シリーズ生活習慣病 第106弾!2015.04月号
人生
『金城、コーヒー飲みに行くぞ』
元上司に所用があり、昼休みに訪ねたときのこと。
そこはかつて私も行きつけの珈琲屋さん。
「いつもの」と言わずとも、
マスターがお客様の好みのコーヒーを覚えているのに、いつも大感心。
(上司は確か、モカだったかなぁ…)と思った瞬間
『マスター、人生を』
人生??
どんなコーヒーか聞くが早いか
『金城のところくらいスタッフが多いと、
なかなか思い通りいかないだろう。
何回言っても同じミスしたり…仕方ないんだよ。
特に今の若いもんは、修行なんて概念は無理。
はじめから微糖コーヒーみたいなのに慣れて、
ブラックコーヒーの経験もない。
ある意味、疾患を抱えていると思ったほうがいい。
でも諦めちゃダメだ。
少しずつでもいいから変えるしかない。
おいら達が治療をあきらめないのと同じでな、
手を変え、品を変え…』
いつもながら、
部下の状況を把握しているのには頭が下がります。
『この“人生”っていうコーヒーは、
カクテルみたいに二層になっていて、
上が苦いブラックコーヒー、下が甘いシロップミルク。
上からゆっくり苦味を感じて味わうんだ。
はじめはつらいに決まっている。
それが長く続くんだけど、
あるときから少しずつ甘くなるんだ。
おいらは今、そんな時期かなぁ。
人生みたいだろ。
だから“人生”って名前にしたんだ、わかるか?』
まさに、かねしろ内科の理念
[患者様は家族と同じ]に通じる言葉。
私の誕生日にふさわしいプレゼントをいただきました。
自分の家族なら、と思う治療を
これからもすすめていきますね。
ちなみに、あの“人生”というコーヒー、
最初から混ぜて微糖コーヒーにしたら台無し。
最初の我慢があるから、楽しみが際立つそうです。
珈琲だけに深い!
105弾
シリーズ生活習慣病 第105弾!2015.03月号
五十肩?
私が約一年前から病んでいた
右手の腱鞘炎の痛みもあとちょっと。
暖かくなってきたので
そろそろゴルフでも再開しようかなぁ…と思ったら
突然、左肩関節が痛い!
「ガーン… またしばらくゴルフができない…
予告なしに、知らぬ間に… なんの兆候もなく」
五十肩にかぎらず、どんな病気も
寝耳に水状態で知らされたときの心痛は
はかり知れません。
「なんで私が…」
小児の1型糖尿病もそのひとつ。
2型と違い、生活習慣が普通でも発症、
それもある日突然…
1型の特徴は、自分のインスリンがまったく出ないこと。
すなわち、インスリンの注射を常にしなければなりません。
2型の方は、同じようにインスリンを打っていらっしゃいますが、
食べた量(カロリー)に対してインスリン量が足りなくても、
自分のインスリンも少し出ているので、
血糖値は安定しやすいのです。
がしかし、1型は自分のインスリンが出ないので、
外から打つインスリン量がカロリーと合致しなければ、
血糖値ははね上がったり、下がりすぎたり、
乱高下してしまいやすいのです。
目の前のお食事と、食後の活動量を予測して打つのは
なかなかうまくいきません。
1型の方は、一日中、インスリン量と血糖値の乱高下が
頭から離れないのです。
「もう嫌だ!」と感じるのは当たり前ですよね…
私は、その1型の患者様のために、
日本糖尿病療養指導士(CDEJ)、看護師、
管理栄養士、健康運動指導士、臨床検査技師、
クリニカルサービス(医療事務)、
そして心理カウンセラーからなる特別チームを組みました。
1型のための「治験」も始まります。
目標は「悩まず長生き」…
血糖コントロールの究極の目標は合併症を起こさないこと。
しっかり動脈硬化を評価して、
楽しい人生を送るべくプロデュースいたします!
プロデュースと言えば、
テレビやラジオのプロデューサーは大忙し。
私は4月16日(木)の文化放送のラジオ出演のために
今から打ち合わせです。
仕事大好き!
あら、左肩、大丈夫かも(笑)
104弾
シリーズ生活習慣病 第104弾!2015.02月号
狼煙(のろし)
糖尿病の様々なアクシデント…
例えば、低血糖。
冷や汗や手の震え、ひどいときは意識消失…
『本当に低血糖?』
と、時には判断に迷ったりしますよね。
昼間ならクリニックにお電話をいただき、
スタッフが即座に対応いたします。
問題は時間外。
迷いますよね、救急車を呼ぶのはちょっと…
我々の患者様には、24時間対応をしています。
携帯3つを常に持ち歩く私に寄せられる、緊急コール…
『夫がトイレで倒れていて…脳梗塞でしょうか?』
聞けば、インスリンを打つタイミングが早く、
お食事前にトイレに行かれたとか。
適切な対処をお伝えし
『先生、本当に心強かったです』
と感謝されました。
また一方では、『今、吐血しています』
糖尿病とはかけ離れた緊急メール!
吐血で話ができなかったのかもしれません。
即座に救急車要請、大学の救命救急センターに搬送…
まるでドラマです。
幸い一命をとりとめ、
翌日『助かりました』と安堵のメールが。
その昔は、忍びが密書を殿に届け、
山里離れたくらいの距離で狼煙(のろし)を上げる…
今は、患者様が海外でも、
体調や血糖値を、メールや携帯電話でリアルタイムに確認。
すごい時代になりましたね!
それにしても、
我らがシャンパンを飲んで酔っぱらっているときに、
患者様から電話が入ると、シャキッとする仕事の鬼。
ある意味、病気かもしれません…(笑)
103弾
シリーズ生活習慣病 第103弾!2015.01月号
モンサンミッシェル
ご存知ですか?
世界遺産に登録された
フランスの、島のような陸続きのような…
潮の干満により、さっきまで陸続きだったのが、
押し寄せてくる海水で一気に孤島になる様は、なんとも幻想的。
テレビで観ているだけで想像できます。
でもその昔は、砂にはまったり海水の流れが速すぎて
命を落とす巡礼者も多数いたとか。
速いといえば、腎臓機能の悪化には驚いてしまいます。
『ついこのあいだまで正常値を少し超えたくらいだったのに』
あれよあれよという間に人工透析に…
血糖値だけでなく、
血圧・体重管理、塩分・タンパク制限、
クレメジン(食事に含まれている腎臓悪化物質を除去する薬/ジェネリックは無効)・
EPA(血液サラサラに血管をよみがえらせる)・
ARB(もともと血圧の薬)の内服、
その他、改善に欠かせない飲水(体重の1/30)…
ありとあらゆる作戦で、患者様を透析にはさせない!
とスタッフ全員で頑張っています。
幻想的なモンサンミッシェルの海水満ちる風景も、
立場が替われば『津波』に見えて…という方と同じように、
塩は美味しさのもとなのに、腎臓に悪い。
タンパク制限も、大好きなおかずを極限まで減らす辛さ…
患者様のいろいろなお立場の状況を鑑み、
合併症が起きぬよう、今年も頑張って診療してまいります。
102弾
シリーズ生活習慣病 第102弾!2014.12月号
一番
早いもので、かねしろ内科クリニック 開院9周年を迎えました。
かねしろ内科を卒業していった
後輩の医師やスタッフにたまに会いますが、異口同音に
『金城先生のところのスタッフ教育はすごいレベルです、真似できません』
と嬉しい言葉を頂けます。
常に[前へ前へ]を心がけて頑張っているスタッフのお陰かと思います。
神奈川県内の糖尿病を専門とする先生方が
患者様と一緒に頑張って治療した結果、
なんと神奈川県は、糖尿病関連死亡率が全国一低い県を保っています。
私も属している、神奈川県糖尿病対策委員会の活動も
毎年研究発表を行い、頑張っています。
一番といえば、当院には頸動脈超音波画像で
日本一をとった臨床検査技師がいます。
画像が美しいだけでなく、血流を見ただけで、
その先にある見えない領域の状況を予測するという腕を持っています。
動脈硬化は将来、心筋梗塞・脳梗塞を引き起こします。
超音波検査は簡単で安全ですので、ぜひ受けていただきたいですね。
今、私が考えているのは、[患者様のために一番いい医療]
特に若い頃から、インスリン注射とずっと付き合わないといけない
1型糖尿病の患者様が、ストレスなく、一番元気に長生きする、
その作戦を立てています。
[若い頃から動脈硬化を起こさせない]
一番よい診療を目指してまいります。
皆様、来年もまたよい年になりますように。
101弾
シリーズ生活習慣病 第101弾!2014.11月号
速(そく)っと
お陰様で、東林間が開院9年、
鶴間が7年になりました。
思い起こせば、鶴間オープン前日の予行練習の朝、
当時、車通勤をしていた私は、スピード違反で免停に…
その日以来、“トップたる者、規範となるべし”
スポーツカーでも法定速度(笑)
一時停止は二段止まり、踏切は窓明け、
横断歩道は気がつく限り歩行者優先…
自動車教習所の先生にも負けない完璧さで運転しています!
交通規則を守れば守る程、
それぞれ深い意味があることに気がつきました。
そして、皆が守れば、事故の確率もかなり下がるだろうと確信しました。
スピードといえば歩く速度。
かねしろ内科の健康運動指導士 大塚の布教(笑)活動が功を奏し、
運動習慣の大切さが、皆さんにかなり浸透してきました。
はじめは、ちょっとでもよいので時間を見つけてサクッと歩く。
歩く習慣がついたら次のステップ
『息が切れる/会話はできるくらい』の速歩で歩いてみましょう!
あ〜ら不思議、血糖値は下がるし、血圧・体重にも変化が…
皆さんも時間を見つけて“そくっと”歩いてみませんか?
そういえば先日、年に一度の『かねしろウォーク』を泉の森で開催。
患者様と我々スタッフ、総勢150名以上が一緒にウォーキング。
ランチを楽しんだり、ゲームをしたり…
あっという間の時間なのに、2万歩以上も歩いていて、
なんとも心地のよいひとときでした。