120弾
シリーズ生活習慣病 第120弾!2016.06月号
レガシー(遺産)
“grace under pressure”
その昔、ケネディ元大統領(JFK)が、
重圧の中、屈することなく、
気高さを貫いてみせたその指導力、
それを支えたガッツ!
キューバ危機のときに下した孤独な決断のおかげで、
世界は核戦争勃発の危機から救われました。
正しいと信じる道を行く勇気、
JFKのレガシーは、
キャロライン・ケネディ大使に確実に引き継がれ、
オバマ大統領の広島訪問という
新たなレガシーの誕生に貢献することとなりました。
糖尿病の研究でも『レガシー効果』といわれるものがあります。
ゆるく治療していた患者様と、厳しく治療していた患者様、
10年間の経過をみたときに、
結局は同じくらいの血糖コントロールになったとしても、
厳しくがんばった経験のあるほうに、合併症が少なかった。
つまり、早いうちに良くしておいたほうが
のちのち良いですよ、というお話です。
であれば、歳をとって糖尿病が悪くなるとしても、
可能なら“糖尿病なりかけ”(境界型)のうちに手を打てば、
かなりの確率で安心できるかと思います。
会社の健診でちょっとひっかかったけど…
と気がついたら、あっという間に
10年くらいたってから来院される方が少なくありません。
そしてそのときには、すでに動脈硬化が…
勇気をもって、早めに受診しましょうね!
それにしても、
JFKやオバマ大統領は大きなレガシーを残しましたね。
私も皆さまのためにがんばりますよ!
119弾
シリーズ生活習慣病 第119弾!2016.05月号
熊本城
4月、二度の激震予測を誰に頼ればよいのでしょう?
気象庁や専門家が日夜研究されていますが、
『今の地震学は、過去のデータに頼らざるをえない、
活断層がずれ動くのは、千年〜数万年に一度。
しかし、活断層が無いと安心していた住民がいたなら、
もっと丁寧な説明が必要だった(日経紙)』と。
かねしろ内科が11年目に入り気がついたこと、
それは心筋梗塞や脳梗塞を起こされる当院の患者様が
ほとんどいなくなったことです。
スタッフによる、病気の知識や情報の周知活動、
血圧・血糖値等の管理、
徹底した動脈硬化の評価と、その予防薬処方…
スタッフと患者様、
さらに患者様のご家族が一丸となった結果です。
誰かに頼らざるをえないことはいくらでもあります。
ぜひ、われわれを頼ってくださいね!
そういえば、今日乗ったタクシーの運転手さんが
別府温泉にお金を落としに行かれると。
「この1ヶ月で、15万人キャンセルが出たらしいから」
三年前の5月、
糖尿病学会で熊本に行ったのを思い出しました。
せっかく熊本に行けたのに、
「またいつか来るだろう」と観光もせずに…
後悔しています。
せめて熊本城だけでも、しっかり見学するべきでした。
被災された方は、いまは頼って元気になってください。
必ずまた熊本・大分行って貢献しますからね!
118弾
シリーズ生活習慣病 第118弾!2016.04月号
ポチ袋
海外旅行をすると、
ホテルやタクシーでちょこちょこ手渡すチップ。
ほんの気持ち、これっぽっちですが…
この「ぽっち」から名前がついたという「ポチ袋」
最近、持ち歩いています。
「とうとう、お座敷遊び?」
…いえいえ
たしかに、昔の関西方面、
特に茶屋女や舞妓さんにチップを渡すときの洒落た袋ですが、
世の中には様々なポチ袋があり、非常に楽しいものです。
ホテルのポーターさんに重い荷物でお世話になったときや、
レストランで特によくしてくれたサービスの方に、
ほんの気持ちを。
手渡すその袋に桜の絵があれば、
『いま、ちょうど満開ですね』
と会話にも花が咲きます。
ほんのちょっとのことですが、
素敵な時間の積み重ね。
ほんのちょっとといえば、
ちょこちょこお水を飲んでいますか?
外来でも、このコラムでも、水の重要性はお話ししていますが、
特に冬は、のどが渇くまでなかなか飲んでいただけません。
「のどが渇いたらすでに脱水状態」
そして腎臓は、常に水分を欲しがっています。
ひと口ふた口でいいので、30分に一度は飲みましょうね。
ちなみに、一気に大量に飲むと、
おしっこで一気に出てしまい、残念です。
ちょこちょこ飲んで、ちょこちょこトイレが膀胱炎予防にも!
もちろん、麦茶やほうじ茶、
ブラックコーヒー(砂糖・ミルク無し)でもOK!
ただし、「夏は脱水が心配」とスポーツドリンクを飲むのは、
腎臓にも糖尿病にも負担がかかります。
あくまでも、短時間に大量の汗をかく、
まさにスポーツ選手の飲み物です!
誤解しないようにしましょうね。
さあて、原稿も終わったので、
そろそろ大好きなシャンパンを(もちろんお水も)
ちょこちょこ…(笑)
117弾
シリーズ生活習慣病 第117弾!2016.03月号
九転十起
長男の高校の卒業式、
素晴らしい祝辞に感動しました。
七転八起ならぬ九転十起とはよく言ったもので、
淺野總一郎氏(実業家)の波瀾万丈の人生訓。
確かに人は、何度も失敗や挫折があるものです。
でもまたすぐに立ち直れるのも特技のひとつかと。
自力で這い上がる人もいれば、
人の助けをかりて頑張ることも多々あります。
びっくりしたことに、
『6年間、無遅刻皆勤の生徒の名前を呼びますので、
親御さんもご起立を願います!』
えっ?
『生徒諸君が無事に過ごせたのも、
父兄の方々のおかげです。御礼申し上げます!』
…なるほど。
やはり人間は一人でできることは限られています。
協力し合ってこそ、成し遂げられるのですね。
糖尿病もまたしかり。
ご本人、ご家族だけではなく、
我々もさまざまなスタッフが全力でサポートいたします。
クリニカルサービス 11名
─医療事務、おもてなし全般
看護師 14名
─笑顔と優しさがモットー
臨床検査技師 3名
─超音波検査、和やかな雰囲気で検査いたします
管理栄養士 8名
─栄養相談や美味しい健康食体験(現在 募集中!)
健康運動指導士 1名
─運動教室や個別の運動アドバイス
心理カウンセラー 1名
─心のケア
薬剤師 1名
─お薬相談
介護福祉士 1名
─介護相談〜施設への入所相談
視能訓練士 1名
─眼底検査
…そして医師19名
理解と知識の充足を目標に、
市民公開講座 『やまと糖尿病を知る会』
をシリーズでスタートいたします。
定員は40名(無料)
第1回は、わたくし金城がお話しします!
日時:4月16日(土) 14:00〜
場所:つるまメディカルホール
(小田急江ノ島線 鶴間駅前 ローソン2階)
お問合わせは、
鶴間かねしろ内科クリニック TEL 046-271-7410 まで。
ぜひいらしてください♪
第2回は、7月16日(土)です。
そうそう、現在当院では、
管理栄養士さんも大募集中ですので、
あわせてご連絡くださいね!
それにしても祝辞の中で、
『顔もろくに見ない、電子カルテの医者はムカつく』
…同感です!
いまだに私は紙のカルテで、
むしろ顔を見すぎ・しゃべりすぎ(笑)
116弾
シリーズ生活習慣病 第116弾!2016.02月号
決意、看護師募集します!
糖尿病や高血圧などの生活習慣病は
動脈硬化が必ず進み、いずれは心筋梗塞・脳梗塞、
腎機能低下、眼底出血へ。
私たちは、さまざまな取り組みで
これらの合併症を阻止してきました。
そのおかげか、喜寿だけでなく
米寿を迎えてお祝いできる機会が増えてきました!
うれしいですね。
その原点は、患者様とスタッフの努力です。
では、そのスタッフのご紹介♪
管理栄養士 | 8名 | :栄養相談や美味しい健康食体験 |
健康運動指導士 | 1名 | :運動教室や個別の運動アドバイス |
心理カウンセラー | 1名 | :心のケア |
薬剤師 | 1名 | :お薬相談 |
介護福祉士 | 1名 | :介護相談〜施設への入所相談 |
クリニカルサービス | 11名 | :医療事務、おもてなし全般 |
臨床検査技師 | 3名 | :超音波検査 |
視能訓練士 | 1名 | :眼底検査 |
医師19名と看護師14名…
これらのスタッフは一丸となり、
健康の維持、疾病の改善にがんばっています。
病院に負けないマンパワー。
でも、まだまだ。
たとえば、聴力障害の方には
手話通訳(現在 依頼中)が院内にいると
助かると思いませんか?
『日曜日しか休みがない』という方が
通院されなくなり、糖尿病が悪化…
決意しました!
もうすぐ日曜外来を始めます!
そこで、看護師さん募集です!
あっ、禁煙外来をやっているので、
タバコを吸う方はNGですが…
のんべえは大歓迎です(笑)
115弾
シリーズ生活習慣病 第115弾!2016.01月号
天ぷら
「大将の天ぷらは衣が薄くていつも絶品ですね!」
熱燗をちびちびいきながら、
採れたての山菜の天ぷらに舌鼓。
本当に幸せです。
行きつけのこのお店、
南林間駅西口からすぐの天ぷら屋さん。
腎臓の悪い方のための
低たんぱく天ぷらが用意してあったり、
エビアレルギーの方がいらしたら
惜し気もなく、まだ綺麗な油を新品に…
いつも同じ品質の天ぷらを続けて出せるのにも驚きます。
『修業時代から、もう50年以上続けているからね』
[続ける]ことの大切さ、感じ入りますね。
続けるといえば、
我々は無意識かつ自動的に呼吸をしていますが、
寝ているときに止まってしまう
[睡眠時無呼吸症候群(SAS)]は
日常生活にかなり支障をきたします。
会議中の睡魔ならまだしも、車の運転は命にかかわります。
我々の糖尿病外来に通っていらっしゃる方にもかなり多く、
『いびきが突然止まるって言われる…』
と相談さることも。
検査のうえ、CPAPという小さな呼吸補助器を使うと
見事に快適な睡眠をとれるようになり、好評です。
一度ご相談をおすすめします。
それにしても、次から次に続く美味しい野菜の天ぷら、
数えたら12種類も!
衣が薄いからカロリーも少ないし…
ならば〆のかき揚げ丼を…
『どうせ今からシャンパン飲みに行くだろうから、
先生は小さいどんぶりにしといたから』
…トホホ、さすが大将(涙)
114弾
シリーズ生活習慣病 第114弾!2015.12月号
10年前と同じ笑顔
おかげさまで、東林間に開業して10年が経ちました。
残念ながら、通院できなくなってしまったり、
お亡くなりになった方もおられますが、
多くの患者様は、今も元気に通ってくださっています。
嬉しいですね!
そう、嬉しい話を思い出しました。
開業前に、非常勤で勤めていた病院から、
月一回でもいいから応援に来てほしいと、
理事長先生ご夫妻がじきじきに…
もちろん、それも嬉しい恐縮なお話なのですが、
もっと嬉しいことが…
10年前にも診察していた患者様が何人もいらして、
みんな元気元気!
嬉しいですね。
それにしても、
どうして糖尿病のコントロールがあまり良くない方も、
合併症なくお元気なのか…
『あっ!』
カルテを見て気がつきました。
ほとんどの方が、ある薬をずっと飲んでくれていたのです。
エパデールというイワシの油からできているお薬で
(サプリメントとは濃度が違います)
いわゆる『血液サラサラ』のイメージのEPA製剤です。
血管をしなやかに、丈夫に変化させて
動脈硬化を予防・改善してくれます。
当時、その病院では、頸動脈エコー検査のかわりに
簡易的な血管年齢(血管の硬さ)を測り、
少しでも血管が硬い方に、エパデールを処方していました。
ご存知のとおり(笑)不摂生な私も8年くらい飲んでいますが、
血管年齢が 43歳 → 17歳に若返りました!
頸動脈エコー検査をすると、糖尿病の方ほとんどに
少なくとも小さなプラークが見つかります。
大きくなれば、いつか脳梗塞や心筋梗塞になるかもしれません。
早期診断→治療で、十年後の20周年のときも
同じ笑顔でいていただきたいですね。
笑顔といえば、
当院では、米寿を迎えられた患者様と一緒に
写真を撮ってプレゼントしていますが、
本当に皆さん素敵な笑顔です。
嬉しいですね!
113弾
シリーズ生活習慣病 第113弾!2015.11月号
ついついうっかり
鍵にお財布、携帯電話!
平成型 三種の神器はこんな感じでしょうか。
先日、朝の電車の中で、
「やけに今朝は新聞に集中できるなぁ…」
クリニックに着くと、携帯電話がない!
どうりでメールが来ないはず。
ついうっかり忘れた携帯電話ですが、
ないと不安になるのは、
現代人に仲間入りできた証拠でしょうか?
ついうっかりと言えば、
お薬の飲み忘れ、よくありますよね。
さらに、
『飲んじゃいけないかな?』
と誤解をして、大事なお薬を飲めていない場合も。
・風邪薬を飲んだら、他の薬は飲んじゃいけない
・食直前と書いてあったから、食後ではダメ
・朝食を食べないから、食後の薬は飲めない
あげればきりがありませんが、ほとんどが間違い。
風邪薬を飲んでいようが、朝食を抜こうが、
例えば、血圧のお薬は飲むべきです。
糖尿病のお薬で、食直前と書いてあっても、
食事中・食(直)後でも、効果がゼロになることはなく、
飲まないほうが効果はゼロ。
エパデールというお薬は『朝・夕食直後』
と薬局で説明されるため、
飲み忘れる患者様がかなりいらっしゃいます。
「私は食事前後に関係なく、一度に1日分飲みます」
と説明すると、格段に飲み忘れが少なくなりました!
薬剤により特性がありますから、
理想を追究しすぎて飲み忘れるより、
できるだけ身体のためになる作戦が必要ですね!
そういえば、ついついうっかり
この原稿も〆切を過ぎてしまいました。
入稿、間に合うかなぁ…(汗)
112弾
シリーズ生活習慣病 第112弾!2015.10月号
アイロンの線
『先生のところの受付さんはいつも綺麗ねぇ!』
と患者様に突然ほめられ
とっさに
「美人をそろえていますから(笑)」
『違うわよ、シャツのアイロンよ!』
聞けばいろいろほめられました。
スタッフはみな、
シャツのアイロンの線がきっちりとついていて、いつも清潔。
雨の日はタオルの用意、傘がない方には傘を差し出し、
自転車の方には雨ガッパをご用意…
このクリニック、ありえない!
『金城先生の指示?』
「いえいえ、すべて[おもてなし委員会]の委員の意見で…」
『委員会?』
…びっくりしたのは、こちらのほうで、
特に、シャツのアイロン線なんて、
気にしたこともありませんでした。
確かにしょっちゅうクリーニングには出しています(汗)
それにしても、いろんな角度から
いろいろ見られているなぁ…と。
糖尿病もまたしかり。
食事・運動療法に加え、心理カウンセラーによる精神的サポート。
そして、生活の質が高いほうが、コントロールが良いようで、
そのひとつが睡眠時間!
睡眠不足があると、翌朝の血糖値は高くなりがち。
逆にだらだらと寝すぎもよくないようです。
個人差もありますが、睡眠時間は7時間くらいがよさそう。
今までとは違う角度からも
糖尿病を見ていかないといけないようです。
私もシャンパンばかりでなく、違う…(笑)
111弾
シリーズ生活習慣病 第111弾!2015.09月号
水舟
おかげさまで、
かねしろ内科ももうすぐ10周年を迎えます。
私が高齢者になるまでを約30年と考えると、
3分の1が終わりました。
中学生のときに
『人生は三段跳びの如し、
つまりホップ・ステップ・ジャンプ!』
などと、全校生徒を前にマイクを握って熱弁した
(いま考えると、ずいぶんませた中学生だった(笑))
ことを思い出しました。
ホップの10年は「準備」の連続でした。
スタッフを準備し、機械を準備し、
さまざまな講演や啓蒙活動をし…
すると、やりたいこと、やらなくてはならない使命感が
ますます込み上げてきます。
「障がい者のための」
「耳の不自由な方への」
「認知症の方への」…
今日も外来で
『うちの子も最近お腹が出てきて…』
などと聞いてしまうと、
「お孫さんまで三代健診」
など考えてしまいます。
血のつながった方には遺伝子が受け継がれますから、
年に一度は親子で受診をお願いします。
先日の新聞に、
岐阜県にある郡上八幡(ぐじょうはちまん)の
『水舟』が紹介されていました。
『水舟』は郡上八幡に特有の、水を上手に使うシステム。
湧き水や山水を引き込んだ三槽構造で、
飲み水 → 食べ物洗い → 食器洗い槽へと順に水が流れ、
食べかす等は魚のエサになり、自然に返ります。
祖父母から子、孫へ伝えてゆく姿に
どこか似ていると感じました。
かねしろ内科、次のステージへ!