53弾
シリーズ生活習慣病 第53弾!2010.11月号
「労わりが大切」
すい臓には、『β(ベータ)細胞』 という、インスリンを作るところがあります。
そこが、何らかの理由で全く機能しなくなり、インスリンを注射が必要となるのが、
『1型糖尿病』です。
まだ我々の力が及ばず、完全治療が難しい病気です。
今回は、『β(ベータ)細胞』についてお話します。
本来、食事により上がった血糖に対し、必要な量のインスリンが数時間、
我々のβ細胞から出ます。
これを、『追加分泌』と、呼びます。
一方、食事をしていないときも、我々は筋肉を動かし、寝ていても心臓は内臓は自然に活動しています。
そのエネルギー源の糖を使うには、少量のインスリンがやはり必要で、
それを、『基礎分泌』と呼びます。
すなわち、β細胞は24時間、『基礎分泌』と、
朝昼夕の食事ごとの、『追加分泌』で、過酷な状況下におかれています。
10時や3時におやつをいただくと、β細胞曰く、
『また俺たち働くの?さっきインスリン出したばかりだよ。仕方ないなぁ・・・』
と、ボヤきながらお仕事をします。
1型糖尿病の方なら、間食のときにもインスリン注射が必要です。
しかし、注射をしていない方は、自らのβ細胞が頑張るしかありません。
ましてや、肥満や運動不足があると、インスリンの効きが悪くなり、
ますますインスリンの生産量を増やさないと・・・。
そうして、β細胞は過労が重なりギブアップ。
血糖値は跳ね上がり、さらに高血糖による糖毒性でβ細胞は攻撃を受けて・・・。
こうして全くインスリンが出なくなるのも時間の問題です。
食事と運動療法を守り、β細胞を労わってあげましょうね。
ちなみに、先月の11月24日で、このかねしろ内科クリニックは開院5周年!
スタッフも今まで働かせすぎたなぁ、労わってあげないと(汗;)。