106弾
シリーズ生活習慣病 第106弾!2015.04月号
人生
『金城、コーヒー飲みに行くぞ』
元上司に所用があり、昼休みに訪ねたときのこと。
そこはかつて私も行きつけの珈琲屋さん。
「いつもの」と言わずとも、
マスターがお客様の好みのコーヒーを覚えているのに、いつも大感心。
(上司は確か、モカだったかなぁ…)と思った瞬間
『マスター、人生を』
人生??
どんなコーヒーか聞くが早いか
『金城のところくらいスタッフが多いと、
なかなか思い通りいかないだろう。
何回言っても同じミスしたり…仕方ないんだよ。
特に今の若いもんは、修行なんて概念は無理。
はじめから微糖コーヒーみたいなのに慣れて、
ブラックコーヒーの経験もない。
ある意味、疾患を抱えていると思ったほうがいい。
でも諦めちゃダメだ。
少しずつでもいいから変えるしかない。
おいら達が治療をあきらめないのと同じでな、
手を変え、品を変え…』
いつもながら、
部下の状況を把握しているのには頭が下がります。
『この“人生”っていうコーヒーは、
カクテルみたいに二層になっていて、
上が苦いブラックコーヒー、下が甘いシロップミルク。
上からゆっくり苦味を感じて味わうんだ。
はじめはつらいに決まっている。
それが長く続くんだけど、
あるときから少しずつ甘くなるんだ。
おいらは今、そんな時期かなぁ。
人生みたいだろ。
だから“人生”って名前にしたんだ、わかるか?』
まさに、かねしろ内科の理念
[患者様は家族と同じ]に通じる言葉。
私の誕生日にふさわしいプレゼントをいただきました。
自分の家族なら、と思う治療を
これからもすすめていきますね。
ちなみに、あの“人生”というコーヒー、
最初から混ぜて微糖コーヒーにしたら台無し。
最初の我慢があるから、楽しみが際立つそうです。
珈琲だけに深い!