44弾
シリーズ生活習慣病 第44弾!2010.03月号
糖尿病の新しいお薬
昨年の12月に、糖尿病の新しいお薬が出ました。
『DPP-4阻害剤』といいます。
今回は、その薬についてご紹介しましょう。
食事(のなかの糖類)は、口→食道→胃を通るなかで少しずつ消化され、
腸から体内に吸収されます。
その時、小腸から、あるホルモンが血液に流れ込み、
膵臓のβ細胞に働きかけると、インスリンがたくさん出て、血糖値が速やかに下がります。
そのホルモンの総称を、『インクレチン』と呼び、『GLP‐1(ジー・エル・ピー・ワン)』というのは、
そのなかの1つです。
その『GLP‐1』は、『DPP-4(ディー・ピー・ピー・フォー)』という物質によって
すぐに分解されてしまうものなのです。
つまり、『DPP-4 』の働きを阻害すれば、『GLP-1』の効果が長続きするのです。
今回の新しいお薬は、その『DPP-4阻害剤』といい、『GLP-1』を血中に長く存在
させる効果のあるものです。
このお薬は1日1回飲むだけですみ、副作用も殆どありません。
素晴らしいお薬ですが、『やる気のある患者さま』にしか効きません。
食べ過ぎや運動不足を乗り越える力はないようです。
分かっちゃいるけど…。
我々の前には、まだまだ厚い壁が立ちはだかっているようですね。