158弾
第158弾 台風2019.11月号
台風15・19号の水害はすさまじいものでした。
もちろんニュースでは、かなり大きな台風だと言われていましたが、
正直これほどの被害を引き起こすとは、誰が想像できたでしょうか…
被害にあわれた方が『自然』にはかなわないと話されていましたが、
たてつづけに2回もやってくるとは…
かなわないといえば、どんなに生活に気をつけていても、
「動脈硬化・プラーク」や「がん」を防げないことがあります。
よくご夫婦で来られて『くすり飲まなきゃだめかなぁ、
結果が良いのに、なんで俺だけプラークがあるんだ?』
遺伝子が違うので仕方ありません、お薬で治しましょう、と。
病気を治すため、あるいは予防するために
生活習慣に気をつけるのは大切ですが、
今回の災害のように、予想以上あるいは突然の地震など、
明日なにが起こるかわからない…
人生一回です!
楽しめるときに楽しんで、メリハリをつけた生活で、
そしてきちんと検査をして、その結果治療が必要なら、
嫌がらずお薬で治していきましょう!
さて、『備えあれば憂いなし』と親に教わったとおり、
お薬手帳と実際のお薬も、いつも携帯しましょうね!
157弾
第157弾 ラグビー2019.10月号
「bandwagon fan」と英語では言うようです。
私のような「にわかファン」のこと…
それにしても、こんなにラグビーが楽しくて
感動するスポーツとは知りませんでした。
世界中から集まるラグビーワールドカップ。
お国柄もいろいろ、珍事件もいろいろ。
でも選手たちのプレーは激しくも紳士。
先日の日本vsアイルランド戦は
[がんばれ、日本‼︎]と祈りつつテレビにくぎ付け。
[けっこう互角⁈]と素人ながらに応援していた前半の途中、
キャプテンのリーチ・マイケル選手が登場してから[流れが変わった?]
後半戦で逆転し、列島が湧く歴史的な勝利をおさめた後の
リーチ選手の会見『30分だけ喜んで、次のサモワ戦に備える』
30分といえば、お野菜やお肉などのおかずを食べて、
糖質(ご飯、パン、麺、いも、かぼちゃ、れんこんなど)は
30分以上たってから食べると血糖値は上がりにくいのです。
この30分でインスリンの分泌の準備がととのい、
血糖値を上げるグルカゴンというホルモンも抑えられます。
もうひとつ、30分おきにお水をふた口くらい飲んでほしいです。
お口の中もきれいになるので、口臭予防、風邪予防、
さらに腎臓に常に水分を与え続けて、腎臓を元気にしてくれます!
30分ルール、覚えておいてくださいね。
さあて、今日はサモワ戦。
シャンパン飲みながら80分、しっかり応援しますよ!
156弾
第156弾 ドアマン2019.09月号
近所でも散歩しないと足腰が弱ってしまうので、
母親と実家近くの中華屋さんで待ち合わせ。
さきに母親の好きな餃子と春巻、五目炒飯をオーダーし、
ビールを飲んで待つこと数分。
到着した母親が、ドアを力なく開けようとした瞬間
(ここで手伝わないのが親孝行!)
ドア近くで、それも後ろ向きに座っていた青年が
サッとドアを開けて中に入れてくれたのです!
チラッと見えた老人の姿に、一瞬の迷いもないエスコート。
丁寧にお礼を言って、ディナーが始まりました。
しっかり食べることが高齢者には必要なので、
取り分けながら食べる中華は、
楽しくバランスよく食べられていいですよね。
バランスといえば、『朝はパンだけ、昼は麺類』
という方がものすごく多いです!
結果、ほとんどの方が鉄欠乏性貧血に…
健康診断の結果が正常範囲でも、低めの方は要注意。
Hb(血色素)の値が14→12に下がっただけで、
以前より疲れやすくなります。
さらに外来で調べてみると、Fe(鉄)とフェリチンは100以下に…
ぜひバランスよく[肉・魚・卵]を
1日合計300グラム目標に食べましょうね。
さて、レバニラと麻婆豆腐を追加して
紹興酒で素敵なドアマンに乾杯です!
155弾
第155弾 かつ丼2019.09月号
『あ、いらっしゃい、ひとり?奥空いてるよ』
同級生の美村(よしむら)というお蕎麦屋さん。
「(シャンパンはないので)生ビールにサラダ、
そのあと夏の生原酒に、なすの煮浸し…」
つき出しをつまみ、さあて原稿でも…とそこへ
母親?と見間違えるくらいの女性がおひとりでご来店。
聞けばご主人は事故で先立たれ、会話する人がいないので
食欲なくてもたびたび来店なさるとのこと。
驚いたことに、数年前にダンス全国大会で踊り、なんと優勝!
この50年間、風邪もひかずにお菓子屋さんを切り盛りされ、
御歳なんと89歳!
なぜか採血データもお持ちで、さっそく拝見。
すごい!軽度の貧血以外完璧!
と、気づけばもうこんな時間。
最後に43年間欠かさず必ず注文する「美村のかつ丼」を…
夕飯が遅くなってしまいました。
遅いといえば、食べてすぐ寝ると
胃の中にまだ食事が消化されずに残ったまま。
それが朝方吸収が始まり、血糖値が上がってしまいます。
就寝まで3時間はあけたいですね。
さあて、今から帰ってシャワー浴びて、シャンパンでも飲んで。
あっ、原稿締め切り3時間以上過ぎてる…(汗)
154弾
第154弾 シーサイドライン2019.07月号
八景島のとなりにある横浜市立大学医学部。
そう、私の卒業した母校。
お昼にシーパラダイスのカレーを食べたり、
試験のあとのご褒美に、巨大あなご寿司をほおばりに悪友と野島に行ったり。
ときには大学院の先輩医師に、産業振興センターの最上階で
鉄板焼をご馳走になったり…
どこに行くにもシーサイドラインに乗ってくり出した6年間でした。
本当にお世話になったそのシーサイドラインが、
先日なんと、新杉田駅で逆走したとニュースで聞きました。
シートベルトのない電車の中では、低速でも大けがになります。
でも「まさか」それを誰が予想できたでしょう?
「まさか」といえば外来で
『糖尿病?まさか』
身内に糖尿病なんて聞いたことがなかったので、
自分だけはならないと思っていた、と。
でもよくよく聞けば、おじいさんが脳いっ血で倒れたとか…
昔は糖尿病が診断される前に、
脳梗塞や心筋梗塞で倒れた方が多かったのです。
境界型糖尿病(HbA1c 5.6%〜)のうちに、
まさかと思わずいらしてくださいね。
シャンパンを飲みながら筆を走らせていたら、編集部からメールが…
まさか?もう夜8時過ぎ!
原稿遅れてごめんなさい m(_ _)m
153弾
第153弾 令和プロジェクト!2019.06月号
激務のなか、上皇さまの国民に寄り添うお姿を拝見していると、
我々国民は変えがたい力をいただけるとの言葉がよくわかります。
被災地でも[会って話して手を握る]
涙する方々の姿に、こちらも熱い思いが伝わってきますよね。
すごいパワーだと思いますが、
見えている以上に尽力されていらしたことがにじみ出ています。
そして天皇陛下は、迎える少子高齢化に対して
皇太子のお立場の時から雅子さまとともに若い世代の活躍を願いつつ、
すでに[子どもたちの教育の大切さ]を述べられてきました。
未来を強く意識する… 大変なお仕事です。
未来といえば、我々も患者様の未来を常に考え
[令和プロジェクト]として、全スタッフで取り組みを始めました。
①超音波検査などでがんを早期に発見する
②脳梗塞・心筋梗塞を予防するために血管や合併症の評価をして
徹底的に原因を取り除く
③できるだけ今の幸せな生活を保っていただきながら①②をすすめてゆく
東林間/鶴間/小田原(杏林堂)3つのクリニック
総勢110名のスタッフで頑張ってまいります!
平成は、日本に戦争無くホッといたしましたが、
個人の病気との闘いは必ずあります。
20代で大腸がんと闘ってきた阪神・原口選手が2軍復帰!
というニュースが…
とりあえずシャンパンで乾杯です!
152弾
第152弾 桜切るバカ2019.04月号
やむなく剪定した実家の桜。
『桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿』
切った枝の切り口が腐ってしまう桜、
余計な枝を落とすとよく咲く梅…
花でも違いがあるのが面白いですよね!
違いといえば、食べ物にも血糖値の上がり方の違いが…
それでは実験開始!
朝はサンドイッチ、昼はざるそば。
さて、血糖値は…
180mg/dlくらいにはね上がりました!
ならば「ダラダラと毎晩宴会」の金城先生は…
なんと〆のご飯も食べたのに、血糖値はほぼ100mg/dl!
忙しい朝は早食いとなり、30分たたないうちに
炭水化物(ご飯等)が口の中に。
いっぽう宴会は、シャンパン?から始まり、
野菜やお魚等のおつまみを食べ、
少なくとも30分以上、炭水化物は食べませんよね。
食事が始まると、小腸からGLP-1というホルモンが出て、
血糖値を上げないようにする準備がスタート。
それに約30分かかるので、
30分以上経過してから炭水化物を摂取すると
血糖値が上がりにくいのです。
野菜やおかずから食べて(お箸を置いて)ご飯は最後に。
じゃあ外食の親子丼は…?
気にせずお散歩で挽回です(笑)
さぁて実家に寄って、元気に咲いた桜を見ながら、
今夜もシャンパンからダラダラ始めようっと(幸せ)
151弾
第151弾 おてんば2019.03月号
先日、スカルノ元大統領のデヴィ夫人がテレビに生出演され、
激動の人生を語っていらっしゃいました。
クーデターはその最たるもの。
ある時は川に逃げ込み、竹のシュノーケル
(いわゆる忍者のすいとんの術!)で身を隠したとか。
国を追われフランスに亡命。
『私、もともとおてんばでしたので、いろいろなことに興味があり…
英語だけでなくフランス語も勉強していたので…
そのおかげで人生が豊かで前向きに…』
まったく同感!と食い入るようにみてしまいました。
おてんばといえば、金城も小学生の頃は
『廊下に立っていなさい!』とよく叱られていましたが、
この[立つ]ということがいかに大切か…
1月14日「American Journal of Epidemiology」によると
成人の4人に1人が8時間以上座りっぱなし。
そこで1日に30分ほど、イスから立ち上がって運動するだけで
余命が延長する可能性があり、
ランニングでなくても、ウォーキングなどの軽めのものでもよい!
『今は寒くて…』
15分も歩けば、体はポッポしてきます。
かねしろ内科では、毎週無料で有資格者が
患者様に運動療法を行っていますので、ぜひ参加してほしいです!
『私、ストレスはためず…毎晩シャンパンを飲んでおりますの』
と79歳のデヴィ夫人!
勝手に親近感が…
知らぬ間に立ちながらテレビを見ていました(笑)
150弾
第150弾 手ごわい2019.02月号
『久しぶりに野菜食べました。食べる機会がないんですよ』
…驚きのフレーズに、しばし言葉を失う金城。
事情を聞いてみると、野菜が嫌いというわけではなく、
母親が忙しくて中食(買ってきたおかず)が多い食生活に
子どもの頃から慣れていたと。
「キノコなんかはどう?何にでも合うし」
『料理の仕方がわからないです』
…て、手ごわい!
子どもの頃からの生活習慣を変えるのは、なかなか難しいですよね。
手ごわい、といえば動脈硬化もまたしかり。
久しぶりに頸動脈超音波(エコー)検査をやってみた患者様が、
動脈硬化病変(プラーク)が増えている!ということが…
『先生、わかりました。もう薬飲みます。』
の同意に、ホッと胸をなで下ろす瞬間です。
①プラークの材料となるLDLコレステロールを
70mg/dl以下に下げるスタチン製剤
②血管をしなやかにするための高純度EPA製剤
この2つを飲んでいただけると、手ごわい動脈硬化もひと安心です。
まずは久しぶりにならないよう
定期的にエコー検査をしてみましょうね。
今年は平成最後の年。
私もしっかり検査、しっかりお薬を飲んで、
野菜をつまみにシャンパンを…
まさに変えられない生活習慣病(笑)
149弾
第149弾 ガソリン満タン2018.12月号
先日、車を走らせていると、途中で赤ランプが…
ガソリンがなくなるお知らせ。
目的地までまだまだ。
すぐさまスタンドを検索するも行く先になく、やむなくUターン(涙)
いつも満タンにしておかないといけませんね。
満タンといえば、われわれの栄養素も不足してはいけません。
特に妊娠中のお母さんは、お腹の子どもに栄養をとられてしまい
本当に大変。
たとえば、貧血は妊婦さんの体力を消耗してしまいます。
普通の食生活では確実に鉄不足になるため、
妊娠前にヘモグロビン(Hb)、鉄(Fe)、フェリチン(Frn)を測定し、
妊娠中にHbが減らないよう、FeとFrnは100以上を保ちたいです。
もうひとつ減ってしまうのが甲状腺ホルモン。
これも赤ちゃんにどんどんとられてしまうため、
お母さんは元気がなくなってしまいます。
血液検査をしないとわからないので、
「最近疲れやすい、元気がない」という方は、
妊娠中にかぎらず検査をしてみましょう!
ところで、うちのクリニックは空前のベビーブーム(汗)
4人の赤ちゃんの誕生(予定)という、おめでたい年でした。
来年も良い年になりますように。