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糖尿病・生活習慣病を中心としたクリニックです

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シリーズ・ザ・生活習慣病

48弾

シリーズ生活習慣病 第48弾!2010.07月号

18年前の素敵さへ

かねしろ内科クリニックを開院する2年前、私の身体はパンパンに太っていました。
そこで、減量を始めて86→71kgに成功!

しかしその後、接待やら先生方との飲み会やら講演会やら…
知らぬ間に77kgにリバウンド!

よくある話ですが、これでは示しがつきません。

そこで、『どうせなら昔の62kgに』したいなぁと、始めました!ダイエット!!
始めてから6週間でマイナス6.5kgに成功!!
会う人会う人皆驚きます。
それではコツをちょっとだけお知らせ致しますね。

まずは、
(1)『決心』すること。この固い決意を周りの人全てに発信し、(2)皆にわかってもらいましょう。
そうでないと、お菓子をくれる悪魔(笑)がいつまでも邪魔します!
それに、(3)有言というより、『公言』実行することで、後に引けなくなります。

基本は、(4)食事制限と運動。必ず両方必要です。
極端なカロリー制限をすると、筋肉がエネルギー源として使われ、
『ダイエットすると力がでない・疲れる』などの原因になります。
適切なカロリー制限とエネルギーを消費する筋肉量を増やしましょう。

最初の2ヶ月はメキメキ体重が減りますので
(5)周りに自慢します!必ず感動してほめてくれます。
お世辞で、「痩せなくたって大丈夫。」とか、嘘つきも多いですが(笑)。

まぁ、受験勉強と同じで、歯を食いしばって頑張ることも、時には必要です。
苦しいことですが、工夫次第で私みたいに楽しめることも出来ますので、
どうか、一人で孤独なダイエットではなく、周囲を巻き込んで、
皆と賑やかに楽しんで実行しましょう!

あっ!今、原稿を書いているうちにまた痩せた!

今度は誰にほめてもらおうかなっ(笑)!!

47弾

シリーズ生活習慣病 第47弾!2010.06月号

野菜を手軽に食べるコツ

今年の春は天候の変動が激しく、春キャベツが1個で300円!なんてときもありました。

野菜は糖尿病の治療のため、健康維持のため、毎食必ず食べて欲しい食品ですが、
『値段が高い』、『手間がかかる』、『何をどう食べてよいか分らない』など…。
実際、野菜をしっかりとるのはむずかしいですよね。

そこで、私から知恵をひとつ。

朝食に野菜を食べられない理由のトップは、「作る時間がない」。
そこでかねしろ内科秘伝の解決法を授けましょう!…(笑)

とっても簡単です。
夜のうちに、キャベツやキュウリ、トマトなどを切って冷蔵庫へ!
これなら翌日は食べるだけ!!
ノンオイルのドレッシングや、ポン酢などを少しかけるだけで、
手軽に野菜が食べられます。

余裕があれば、ブロッコリーやもやしなども茹でてみたり。
共働きの方もこの方法なら、なんとかなるかと。

そうやって、『朝はしっかり、昼は普通に、夜は軽く』と、食べることで、
理想的な食事ボリュームとなるのです。

以前、元・外務審議官の田中均氏の新聞記事で、
「言葉が人の心を動かし勇気づけるのは、言葉を裏打ちする経験や行動のなせる業…。」

我々スタッフの言葉が、皆様のためになりますように。

46弾

シリーズ生活習慣病 第46弾!2010.05月号

祖父 金城政亀

診察室のカルテ置きに、そのメモはありました。

”しばらく来院ナシ。その後他院(非専門)に通うも途中で中断…
心筋梗塞を起こし、救急車で…”

さらに、私宛に搬送先の病院からの紹介状が。

『ああ、この患者さまは、糖尿病の治療を自分でやめてしまい、
その結果、血圧や血糖値があがり、最悪の結果に…』
などと想像していると、なんと目の前にその患者さまが。

管理栄養士に付き添われながら、
「先生!もう(通院を)サボらないって約束していただきました。ねっ!!」

そうです。
命は助かったのです。
患者さんの照れ笑いに安堵し、「おかえりなさい、ところで何でサボっていたの?」と、伺いました。

皆さんの理由の第1位は、『うっかり忘れてそのまま』となってしまうことです。
そして、何となく行き辛くなって悶々とし、
理由の第2位である、『症状がないから大丈夫だろう』と、思ってしまい、
そのまま治療の中断へ…。

つまり、『癌(がん)』ほど怖くないのです。
糖尿病は、大半の方が無症状ですが、通院をやめてしまうと
心筋梗塞と脳卒中の合併症を起こす確立が高くなり、
実は大きな病気につながる怖い病気なのです。
絶対に途中で通院をやめないでくださいね。

ともあれ、通院と同じ位予防は大切。
食事と運動、医師の指示のもと、のんびり散歩をしてください。

私の祖父である金城政亀は、沖縄県の医師会長まで務めた努力家で、
孫の私にいつも「勉強も1番、遊びも1番を目指しなさい。そしてよく歩きなさい。」が、口癖でした。
当時から運動が大事を訴え、家の近所だけでなく、車で出かけてきれいな風景の所を散歩していたようです。

私も祖父の教えを守り、毎日1万歩頑張っています。
いつもポケットに入れてある歩数計がその証拠です(笑)!

45弾

シリーズ生活習慣病 第45弾!2010.04月号

通院という保険

「なんでそんなに血を採るの?」

糖尿病の患者さまが毎月通っていただいているなかで、我々は様々な項目を調べております。
肝・腎機能、LDL・HDLコレステロールに中性脂肪、尿酸、栄養状態、そして貧血など。

今まで大丈夫だから…と、思ったら大間違い。
毎月の変化を診ていると、「あれ?」と、『臭う』ことがよくあります。
精密検査をして、何も出なければ「笑い話」。
しかし、嫌な予感が当たってしまうことが…。

「発見が早かったから、処置も簡単ですみましたよ。よくあの変化で予想されましたね。」
と、紹介先の医師からお言葉をいただけると、褒められて嬉しいより、ホッとする瞬間です。

我々はスタッフ一丸となって、生活習慣病と戦い、動脈硬化から来る心筋梗塞・脳梗塞で
患者さまが命を落とすことがないよう、また、糖尿病に特有な合併症を起こさずに寿命を
全うできるよう、毎日真剣勝負をしております。

しかし、せっかく血糖値などが改善しても、もし癌(がん)で亡くなってしまったら元も子も…。
先日、「癌検診」で発見されるよりも、通院中に見つける方が多いという発表がありました。
毎月通っているからこそ、初期で見つけやすいのかもしれません。

特に男性は病院が大嫌い。
例えば、男性の貧血はかなりの確率で悪いものが隠れているので、必ず調べなければなりません。

だから、針を刺す天使の看護師さんを、悪魔と呼ばないでくださいね(笑)。

44弾

シリーズ生活習慣病 第44弾!2010.03月号

糖尿病の新しいお薬

昨年の12月に、糖尿病の新しいお薬が出ました。
『DPP-4阻害剤』といいます。
今回は、その薬についてご紹介しましょう。

食事(のなかの糖類)は、口→食道→胃を通るなかで少しずつ消化され、
腸から体内に吸収されます。

その時、小腸から、あるホルモンが血液に流れ込み、
膵臓のβ細胞に働きかけると、インスリンがたくさん出て、血糖値が速やかに下がります。

そのホルモンの総称を、『インクレチン』と呼び、『GLP‐1(ジー・エル・ピー・ワン)』というのは、
そのなかの1つです。

その『GLP‐1』は、『DPP-4(ディー・ピー・ピー・フォー)』という物質によって
すぐに分解されてしまうものなのです。

つまり、『DPP-4 』の働きを阻害すれば、『GLP-1』の効果が長続きするのです。

今回の新しいお薬は、その『DPP-4阻害剤』といい、『GLP-1』を血中に長く存在
させる効果のあるものです。

このお薬は1日1回飲むだけですみ、副作用も殆どありません。
素晴らしいお薬ですが、『やる気のある患者さま』にしか効きません。
食べ過ぎや運動不足を乗り越える力はないようです。

分かっちゃいるけど…。
我々の前には、まだまだ厚い壁が立ちはだかっているようですね。

 

43弾

シリーズ生活習慣病 第43弾!2010.02月号

まずは野菜から

久し振りに長崎ちゃんぽんが食べたくなりました。
お店に入るとすぐに目に入ったのは、「野菜たっぷりちゃんぽん」。
なんと7種、480gの野菜が山盛り!

キャベツ………200g
もやし…………200g
たまねぎ………50g
にんじん………10g  ←すごい量ですね!
長ネギ…………10g
コーン…………5g
さやえんどう…5g

管理栄養士が推奨する栄養バランスは別として、この野菜の量はかなり魅力的。
それも国産野菜とくれば、オーダーするしかありません!

山盛りになった野菜から食べ始めるため、野菜の食物繊維が糖の吸収速度をゆっくりに、
麺を食べる頃には腸から出る、『インクレチン』(次回詳しくお話します!)がすでに分泌され、
その刺激でインスリンの分泌も始まっています。

脂の多い豚肉も少なく、イカやエビなどでたんぱく質も摂ることができます。

ただし、野菜は油で炒めてあるので、カロリーは691kcalと低くはありません。
また、塩分も9.3gと、1日に必要な塩分(男性9g・女性7.5g・血圧の高い方6g以下)
より多く取ってしまうので、油の浮いたスープと麺は少し残してカロリーセーブをしました。

ちなみにコーンは、ご飯・パン・麺・芋類・かぼちゃ・れんこんと同じ穀類です。念のため。

野菜から、それもしっかり食べることは、糖尿病ではない方にもおススメです!

でも、くれぐれも餃子セットにはしないで下さいね(笑)!!

42弾

シリーズ生活習慣病 第42弾!2010.01月号

運動のすすめ

運動の効果は、
[1]カロリー消費・脂肪燃焼
[2](血糖値を下げる)インスリンの効きが良くなる
が、あります。

その運動に関して、「いつ歩けばいいの?」と、よく質問されます。

しかし、歩く時間を決めてしまうと、律儀な患者さまは、もしそのときに用事が出来ると
何故かその日は歩かずに1日を終えてしまうという方も…。
そういうワケで、「いつでもいいですよ!」と、お答えしています。

ただし、理想は食直後!!
胃腸にとっては、血液が筋肉に取られて良くないのですが、血糖値は抜群に下がります。
血糖値は、食後30~60分後がピークを迎えます(糖尿病の方はもう少し遅い方もおります)。
よって、血糖値が上がる前に勝負をかけるのです!!

また、運動の効果のひとつの、『[2](血糖値を下げる)インスリンの効きが良くなる』は、
2日連続で休むと効果は元通り。
毎日運動するのがベストですが、それが難しい方は、せめて2日に1度は必ず運動をしましょうね。

かねしろ内科クリニックでは、患者さまと一緒に運動し(雨天は室内)、
血糖値が運動でいかに下がるかを実感していただく、『運動療法』を実施中!

皆様も、運動頑張ってくださいね!

41弾

シリーズ生活習慣病 第41弾!2009.12月号

足を大切に…

先日、診察の合間に採血の様子を覗いたら、こんな会話が耳に飛び込んで来ました。

看護師 「はい、(採血)終わりましたよ、お疲れ様です。ところで最近体調などはいかがですか?」
患者さん「看護師さん、実はさぁ、足のタコをいじくっていたらジュクジュクしてきちゃって…。」
看護師 「ええっ!せっ先生ぇえ~!!」

看護師さんの絶叫が響くなか、素早く駆けつけ患者さんの足を診察すると、
皮膚の色は赤紫、タコの真ん中はグチュグチュに…。
まさに、放っておけば、『足の壊疽(えそ)』→『切断』のシナリオ。
私と看護師さんは青ざめ、無言の状態に。

しかし、患者さんは、「いやぁ~。こんな色も悪くなっちゃってね。いつもは平気なんだけどさっ。」
と、あくまで明るい口ぶり。

「いやいや、これは大変なことなんですよ。」と、コトの重大さを説明すると、
「そっ、それは大変!!何でも言うことを聞くので、足を助けて…。」
と、やっと事態を把握してくださいました。

幸い、すぐに処置したため事無きを得まして、足を助けることが出来ました。

糖尿病が悪い(血糖値が高い状態が続く)と、バイ菌などと戦う力の『免疫力』が低下します。
また、血の流れが悪くなるので、傷の回復が遅いのです。
普通なら知らぬ間に治る傷も、あっという間に悪くなり、正しく処置をしても
なかなか治らない、治りにくいのが特徴です。

また、神経障害(糖尿病の合併症の1つ)があると、『痛い』・『熱い』などの感覚が分かりにくいため、ケガをした事、こたつや湯たんぽなどで低温火傷(やけど)事に、気付きにくいのです。
そして、みるみるうちに足が…!
人によっては、かなりのスピードで悪化していきます。

日々の生活のなかで、『足』はとても大切な役割を果たします。
その足を、いつも大切にして欲しいのです。

帰宅時は必ず足を洗い、傷がないかを確認してください。
もし傷があった場合は、すぐ消毒をしましょう。
また、傷の程度にもよりますが、翌日は外来にかかるか、
近くの皮膚科に診てもらいましょう。

そして、普段から足を守る習慣をつけましょう。
・足を守るために靴下を履く。
・靴下の色は白か淡い色とし、傷(血)に気付きやすいようにする。
・裸足にサンダルは避け、靴下と靴を履くようにする。
・靴は、自分の足に合うものを。出来ればシューフィッターさんに選んでもらう。
・毎日足を洗い、清潔にする。
・足の観察(傷の有無、水虫、ひび割れ、皮膚の色や温度、外反母趾の有無など)を常に行う。
・カカトのひび割れなどの防止のために、保湿クリームで手入れを行う。
・水虫(白癬)がある場合は、皮膚科を受診し、完治するまで通院する。
・爪の手入れを、『正しく』行う(一度、看護師さんに聞いてください)。

など、いろいろ注意点はありますが、どれも生活に取り入れやすいものばかりです。

そして、やはり糖尿病を良くする事!
当院に受診する患者さまは、秋になると『果物(特に柿!)』、冬になると『お餅』の
食べ過ぎで血糖値があがり、糖尿病を悪くしてくる方が多いです。

食べるなら、よくウチの管理栄養士さんが勧めている、
果物は朝(または日中、夜はダメ)に片手に乗るくらいの量、
お餅は1食につき1個程度にしましょう。
そうすれば、毎日楽しめて、糖尿病も悪くなりません。

賢く、おいしく食べて糖尿病を良くしましょう。
もちろん、足も大切に出来ますよ。

40弾

シリーズ生活習慣病 第40弾!2009.11月号

不慮に備える

ある日の夜、私の知人から携帯に、
「今、母親が脳梗塞で…。病院に運ばれた…。」
突然のことに声がかすかに震えています。

よくよく話を聞いてみると、親御さんは、
「元気よ!元気!!」
と、健診を受けておらず、知人もそれを把握していなかったそうです。
親子で、大きな病気が起こることを全く予想していなかったと悔しがっていました。

幸い致命傷なく、リハビリで回復に向かっておりますが、
問題は、この、『不慮』を、未然に防ぐことが大切です。

我々スタッフが、脳梗塞や心筋梗塞の原因である、
『血圧』・『血糖』・『コレステロール』などに対する治療や検査をはじめ、
生活習慣の改善をお手伝いすることがいかに大切か。
未然に防ぐために初期で発見し、完治させる大切さも、患者さまには
段々分かっていただけるようになりました。

「私が糖尿病だし…。ウチの子供も心配だわ。高校生だけど診ていただけるかしら?」
「俺がコレステロールが高いってことは…。親も調べた方がいいってコト?」

もちろんです。
御自分だけでなく、血のつながった方(遺伝子を引き継いだ方)は、
検査を必ずやらなければいけません。

そして、大事に至らないよう、家族全員の生活習慣を見直していきましょう!
家族のように我々スタッフがお手伝い致します!!

39弾

シリーズ生活習慣病 第39弾!2009.10月号

50回と1粒

ある70代の女性患者さまから、
「運動をしようと思うのですが、足が悪くてあまり歩けないんです。」と、相談をうけました。

「では、腹筋もどきでもやってみますか(笑)!」と、提案したところ、
初めは10回からスタートし、その後50回を毎日出来るようになり、
HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)は5.0%台に改善、お腹は見事にペッチャンコ。
本当に、スリムでキレイなお腹になりました。

この話を、他の患者さまにもお話しします。
もう少し若い患者さまだと、大抵くやしがって頑張っていただけます。
でも、「こんなに頑張っているのに…。」と、なかなか変化がみられない場合もあります。

「もしかして、飴やガムを…」
そう、カロリーがゼロでないと、たった1粒の飴やガムを口にするだけで
血糖値がはねあがってしまう結果に。
本当に、『たった一口』なのです。
だからこそ、糖尿病の治療では、間食をやめると血糖のコントロールが良くなる効果があるのです。

最近は0Kcalの飴やゼリー、清涼飲料水などがコンビニやスーパーで手に入るようになりました。
『間食はしない』のが一番なのですが、『何かちょっと口にしたい…』と、いうのなら、
まずはこういったものに代えてみてはいかがでしょうか?

「先生、一口くらいは…(泣)。」
もちろん、たまにはどうぞ!!

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