78弾
シリーズ生活習慣病 第78弾!2012.12月号
トイレ掃除
東林間に開院してから7年がたちました。
お店や病院に入ると、一番気になるトイレ。
当初から「世界一きれいなトイレを目指す」というスローガンをかかげ、
私も診療中に自分が用を足すとき、
トイレが汚れていればピカピカにしています。
家でも経験の無いこと。
初めはなんとなく慣れませんでしたが、
しばらく時間が過ぎると自然に体が動くもので、
この7年、クリニックだけでなく、
お気に入りのお店でもキレイにしてしまいます。
人は、綺麗な所を、わざわざ汚そうとは思わず、
むしろいつもより気をつけるもの。
そうすると、お気に入りのお店がいつも清潔で嬉しいものです。
運動習慣も同じです。
動くのが好きではない人は、結構多いもの。
でも、無理のない程度の散歩でも充分、だいじょうぶ。
ちょこっとでも毎日していると、
あら不思議、いつのまにか散歩が好きになっているのです。
さらに、周りの人がそれを見て、ふぅ〜ん、と
意外に影響力があるものです。
先月から、健康運動指導士がクリニック内で、
身体の動かし方、楽しさを教えています。
そうすると、それを見ている他の患者様が
「私も!」と身体を動かしてくださるのです!
嬉しいことですね。
何を隠そう、私は昔から走るのが苦手。
でも、4年前からジムでのんびり走っていたら、
いつのまにか走るのが苦ではなくなりました!
そのせいで、春に駅伝(皇居一周)に出るハメに…
あぁ、体重減らさないと…(汗)
あっ おもちは1食につき1個までですよ!
よいお年を。
77弾
シリーズ生活習慣病 第77弾!2012.11月号
プロゴルファー
ゴルフの練習を始めて半年たちました。
だんだん楽しくなってきました。
実際のコースに出て、コーチに教わりながらまわるコースレッスンも3回目。
「今日は、うちにいるトーナメントプロもご一緒してよろしいですか?」
伊澤秀憲プロ(21)、
ん? どこかで聞いた名前…
そうです、彼のおじさんは、あの伊澤利光プロ!
なんと『同期の石川遼君に競り勝ったこともある』と聞くと、
どんなにすごい若者か想像がつきますよね。
当日、「おはようございます」と礼儀正しい好青年、
私と同じくらいの背で細マッチョ。
最初のティーショットで驚きました…
“ジェットエンジンが付いている”ような、
ボールが風を切る音とスピード。
ピンまで345ヤードのところ、320ヤード以上飛んでいました。
一方、私は… 半分くらい?(笑)
まあ、プロには永久に追いつけないことは一発でわかりましたが、
コツコツ練習を続けていると、
この私もハーフを63→53までスコアが伸びました!
糖尿病治療もまたしかり。
我々、クリニックのスタッフ(プロ)の指導内容を
すべてクリアすることは、ゴルフ同様、無理なことです。
でもコツコツがんばると、だんだんよくなってきます。
もうよくなったから… と、外来をちょっとサボると、
知らぬ間に悪化している糖尿病。
まるでゴルフの練習をサボると、下手に戻ってしまうのとそっくりです。
定期的に通院してチェックすることが大切ですね。
なんの分野でも、プロはやっぱりすごい。
私もコツコツ練習に通いますね!
76弾
シリーズ生活習慣病 第76弾!2012.10月号
検査技師さん 募集中
「限界、ちょっと入院したい…」
上司と会食中に、突然母親から、携帯が鳴りました。
風邪をこじらせてはいたものの、
いっこうに熱が下がらず、食事もとれず、5kg痩せた…
と、弱った不安そうな声…
母が信頼している上司が電話を代わってくださり、
『金城君と、ベストな病院を今から見つけますから、お母さん、大丈夫!』
のお言葉に、母も落ち着いた様子。
会食を中断し、
すぐさま旧知の医師、菅原内科部長(大和成和病院)に直電を入れると、
ベッド確保、即OKのふたつ返事。
入院中も、先生や病棟スタッフに大変よくしていただいたようで、
皆さんに感謝感謝の退院でした。
それにしても、
知らぬ間に、母親は年老いて弱くなっていたのには驚きました。
知らぬ間にと言えば、糖尿病の合併症。
眼底出血→失明、腎不全→透析、心筋梗塞、脳梗塞といろいろありますが、
神経障害も、知らぬ間に忍び寄る怖い合併症です。
直接すぐに“死”には至りませんが、
痛い・熱いがわからなくなると、
足をケガしても気がつかず、傷が悪化。
もともと動脈硬化で血流が悪く、免疫力が低い状態が重なり、膿んできて、
ついには壊疽(えそ)→最悪、足切断!となる方が…
東林間の本院も、もうすぐ開院して7年になります。
院内がかなり狭いため、来年、近くに新しく分院ができます。
神経障害の診断をするために、
神経伝達速度の検査をできるようにしたいと思います。
そのため、すべてのスタッフ大募集です!
特に、検査技師の方、一緒に楽しくお仕事がしたいです!
75弾
シリーズ生活習慣病 第75弾!2012.09月号
8人の女神たち
『炭水化物抜き』『1日一食』『きな粉はやせる』
『運動は必要ない』『肉を食べよ』
『熱中症予防にスポーツドリンク』『柑橘類で脳梗塞予防』…
テレビやダイエット本の流行りのフレーズに、皆さん踊らされ、
結果、かねしろ内科はむしろ患者様が増える一方(笑)
正解なのに不正解?!
基本的には、“過ぎたるは…”をもとにひも解けば、自然にわかる内容です。
炭水化物(主食)を抜けば、確かに血糖値は食直後には上がりにくいですが、
油や肉ばかりでカロリーをとると、翌朝の血糖値が上がったり、
コレステロールが増えたり、腎臓に負担かかったり…
3食バランスよく、低カロリーが理想的ですが、
私のように夜の外食活動(活躍?)が激しい場合、
カロリーオーバー防止のため、朝昼抜くことはあります。
でも、野菜やたんぱく質、穀物の1日必要量のバランスは、
夕食だけで完璧にしています。
例えばお寿司屋さんは、野菜が不足しがちですが、
特別に野菜料理を出していただきます(ずるい…)。
ですが、一般的には1食でバランスをとるには、
頭を使い、相当努力が必要です。
きな粉は、確かに油は少ないですが、万能薬ではなく、
お肉の仲間のたんぱく質です。
他のおかずのカロリーが高ければ、当然太ります。
運動し過ぎで無理をするのはいけませんが、
筋肉を保持するべく、散歩をするのは最高です。
肉をまったく食べなければ、鉄や必須アミノ酸不足になりますし、
食べ過ぎれば前述のごとし。
運動選手ならまだしも、患者様がスポーツドリンクを飲むと、
塩分過剰かつ血糖値が上がります。
食事が守れず、動脈硬化が進んでしまう状態で、
柑橘類をとっても、全く無意味…
少し考えればわかることなのに、我々は情報に惑わされやすいですね!
ところで、良くなってきた患者様がこの間、当院の栄養士に
「この女神の言うこときいたらからだよ!」と嬉しいお言葉を。
そうそう、何か行動を起こす前に、
ぜひとも女神に相談してからお願いしますね!
74弾
シリーズ生活習慣病 第74弾!2012.08月号
ドラマチック、オリンピック
寝不足の主犯のロンドン五輪。
我が国に限らず、様々なドラマに感動しましたね!
「まさか」のメダルに届いた選手や、逃した選手。
もちろん、みんな真剣にやった結果です。
出場できるだけですごい舞台…
でも、メダル取らなきゃ、金じゃないと…
様々な批評がありましたね。
我々糖尿病の外来も、同じようなテーマがあります。
「必ず金、完治しないといけないの?」
もちろん、金メダルは最高、称賛に値しますが、
五輪入賞、糖尿病で言えば、境界型の域でも十分の頑張りです。
たとえ入賞しなくても、実力を出しきった、
最高の笑顔で手を振る選手にも我々は感動するように、
頑張って努力されている患者様が、なかなか目標ラインに達しない…
いいんです、そのために我々がいるのです。
『今よりも少し改善した、また来月少しずつ…』
完璧な人間などいるはずもなく、金を取れる患者様は、ほんのひと握り。
食べたいものは無限にあり、運動する暇なく時間が過ぎる現代。
一人で強い精神をもって戦えるメダリストはなかなかいません!
かくして私も、なかなか目標体重に達しません(笑)
お薬も、毎日三回飲むのは大変!という方々のために、
まだ治験の段階で発売されてはいませんが、なんと週一回飲めばよいお薬も。
我々は、全国に先駆けて、治験という形で提供しています。
あらゆる手段を使い、すべてのスタッフが一丸となって頑張っています。
そういえば、団体のメダルいっぱい取れましたね!
みんなで頑張ると、やっぱり感動しますよね(涙)
73弾
シリーズ生活習慣病 第73弾!2012.07月号
靭帯損傷
仲良しの後輩に誘われて、なんと私ゴルフの練習を始めました!
コーチについて教わっていますが、正直言って、ナメていました。
その初日、『まずは前体重の練習のため、かかとを上げたまま打ちます、ずっと』
ずっと?
慣れない姿勢を保つためだけで、全身から汗が噴き出しました。
『脚の内側への力が足りないので、バランスボールを股に挟んで』
巨人の星の大リーグ矯正ギブスを連想させるスパルタ、
それも満面の笑顔で…
逆らうはずもありませんが、辛いのなんの!
でも50分間、頑張りました。
『普通20分でねを上げるのですが、金城先生はお忙しいので
(私の後輩の)菊地先生から、初回から1時間みっちり教えるようにと…』
あいつ…
筋肉痛にはなりましたが、お陰でいろいろ勉強になりました。
とにかく基本は、脚・姿勢の保持、握り方、腕、頭の位置等々。
少しでも楽をしようとするとボールにちゃんと当たらない…
でも教わった事を全て守ると、必ず美しく飛んでいきます!
(これって糖尿病の治療に似てる?)
そこで復習です。
肥満がある場合には、カロリー制限をしてやせる。
毎日運動をする。
三度の食事以外の時間に、間食をしない。
野菜から食べる。
早食いをしない。
…無理!ですよね、全て守るなんて。
ゴルフだって、全て守れないから、曲がったり、ダフったり。
ですから、「今より少し改善を」
定期的に私も教わっています。
患者様も、毎回同じ会話でもいいんです、少しずつ良くなれば。
コーチから『恐ろしい勢いで上達しています!』と誉め上手なお言葉を…
調子にのってバスケットボールで、昔のようにはしゃいだところ、
膝の靭帯を損傷しました。
皆さんも、頑張りすぎて脱水で脳梗塞等起こさぬよう。
しかし、トホホです(涙)
72弾
シリーズ生活習慣病 第72弾!2012.06月号
治験という仕事
食事療法と運動療法、
完璧にできれば、かなりの方々はかねしろ内科から卒業できるのですが…
なかなかお寺の修行のような生活は出来ないもの
(いえいえ、やせられない住職さんもいます(笑))
もちろん私も、シャンパンはやめられません(汗)
そこで、お薬の力を借りるのは、別に恥ずかしいことではなく、
今や自然な流れかと。
しかし、まだまだその種類は少なく、
新しい画期的な新薬を、早く使いたい…
そう、この救世主が『治験(ちけん)』というお仕事です。
開発されたお薬は、
動物実験のあと、ごく少人数の人に試されます(フェーズ1)。
それにより安全性が確認されたあと、人数を増やし、
ちょうどよい効果は、どのくらいのお薬の量かなど、
患者様にご協力を願い(フェーズ2)、
さらに人数を増やして、効果の評価や飲み合わせなど、
細かく調べていきます(フェーズ3)。
そこまで終わっても、厚生労働省に申請し、
発売に至るのに数年かかったりします。
素晴らしい発明品があるのに使えないジレンマ…
治験は、開発されたお薬を
早く患者様にお使いいただけるシステムなのです。
また、診療費等もほぼ無料になるのも嬉しいですね。
おかげさまで、鶴間かねしろ内科クリニックも4周年を迎えました。
東林間の本院とあわせて、年間延べ3万人!の糖尿病患者様に、
なにか新しいことを…と考えていた矢先、
治験コーディネーターとして会社から派遣されてきているスタッフが
「かねしろ内科専属になりたい!」と。
彼女たちの決意と熱意に感無量です(涙)
涙腺が故障したようなので、眼科に行ってきます(笑)
71弾
シリーズ生活習慣病 第71弾!2012.05月号
『文武両道』
糖尿病患者様の栄養相談をしていると、
なんだか人生相談になってしまうことが多々あります。
仕事や人間関係、家庭内の問題など、ストレスの原因は様々ですが、
はけ口が食事になってしまうのもなんだかわかる気がします。
「ねぇ、先生。先生はどうやってストレス発散を…?」
と、よく患者さんから聞かれます。
私は大好きなシャンパンを目の前にすれば仕事のストレスなんて…と言いつつ、
実は診察をしていない方がイライラむずむずしてしまう、何ともおめでたい仕事人間です(笑)。
患者様と楽しく外来をすることが、私の一番のストレス発散、喜びの時間なのです!
先日、横浜で日本糖尿病学会があり、スタッフ全員で行ってきました。
学会発表は、議論程度のものから『これはバトル?』と、思えるような激しいものもあり、
理論が闘いあってまだ意見が一致しない内容もありました。
元々人生に正解がないように、必ずしも正解と言い切れない治療もあるのです。
だからこそ、患者様それぞれにマッチした、テーラーメイドの医療を提供していくべきと
再認識してまいりました。
その一環として、心の病を抱えて悩んでおられる患者様のために、
春より心理カウンセラーによる心のケアを始めました。
なかには、「お話が出来て良かった。」と、涙を流しながらそうおっしゃる方も…。
基本的に何事も真面目な方が多い気がします。
私、金城と鶴間の院長である朝倉医師が出会った湘南高校は、『文武両道』がモットー。
さらに祖父には私が小さな頃から、『遊びも一番、勉強も一番になりなさい!』と、
よく言われました。
野菜もお肉もお魚も、運動も休息も…皆、バランスが大切なものばかりですね。
私も仕事と遊びのバランスをとらなくてはと、今年からゴルフと合唱を16年振りに
トライしました。
なんと、年末は『第九』を歌います!
もし御興味のある方は聴きに来てください。きっとストレス発散になりますよ(笑)
70弾
シリーズ生活習慣病 第70弾!2012.04月号
『厚木基地』
大和市に鶴間かねしろ内科クリニックを開院して気が付いたのは、
”真上をすごい音で飛行機が飛ぶ”ことです。
外来中の私の声(大きいので有名です!)ですらかき消され、
しばらくして患者様と目をあわせてニッコリ。
この間は飛行中に、飛行機の部品が民間基地に落下との記事が…
近隣の大和・綾瀬・海老名市の住民の方々はさぞかし…と推測致しました。
そんなある日、『厚木基地をご案内致します』というお誘いが。
後学のため、わざと予習せずに潜入。
当日は雨の予報が、”究極の晴れ男・金城” のお陰(笑)で晴れ、桜は満開!
戦闘機やヘリコプター、レストラン・様々なショップ・ボーリング場や映画館、
保育園~大学!
それもそのはず、家族を含め、16,000人が住む都市なのです。
基地の方々は皆さん優しく丁寧、笑顔が絶えない2時間でした。
個々の人々は皆良い人、日本・日本人を守るためにわざわざ異国に移住してくださっている…
基地問題は本当に難しいと痛感致しました。
話は変わって、不規則な生活を繰り返したり睡眠不足があると、
インスリンの出が悪くなり、血糖値があがる事は前からわかっていましたが、
今回、実験でしっかり確認されたようです。
厚木基地では、特定の時間には車も人も皆そのばでビシッと止まって国家斉唱。
規則正しい生活も憧れますね。
でも、日勤・夜勤の不規則な方はやはりストレスが溜るかと。
春からクリニックに心理カウンセラーが仲間入りししました。
少しでも皆さんの心が癒されれば。
そして、国を越えて理解しあえれば…
69弾
シリーズ生活習慣病 第69弾!2012.03月号
『何が出来るのか?』
震災から1年以上が経ちました。
幾度となく、『何かしなければ・・・』と思いつつも、
『何が出来るのか?』と、いう答えの見付からない自問自答を繰り返す心の中。
ただの募金では私は納得がいかず、遅まきながら被災地入りの予定をたて、
先月行ってまいりました。
そのときの事は…機会があれば、いつかゆっくりお伝えすることとして、
私の中に変化が起きたことだけお伝えしておきたいと思います。
我々の日常の仕事は、
『糖尿病の患者様の血糖コントロールを良くする事・治す事・そして発症させない事』なのですが、
実際は、絶対に患者様全員は治すことが出来ていない・・・。
では、そのためには何が出来るのか?
食事と運動の事、細かくいつもお話ししていますから、皆さん百も承知。
でも出来ない現実があります。
しかし、「腹八分目は守れないから、野菜中心で満腹にしているよ。」、
「甘いものはやめられないから、間食でなく食後に食べるようにしたわ。」、
「食事はやっぱり守れないけど、運動なら出来る。毎日一万歩は歩いているよ!」など、
皆さん全部は出来なくても、なにかしらは必ず治療のために取り組まれていることはあるのです。
私の上司が言います。
「全員100点は無理。でも赤点の人を可能な限りなくす努力目標を考えよ!お前なら出来るはず。」
私を今のここまでに育てあげてくださる恩師の見習うべき匠の技・・・。
人間の努力は糖尿病治療に限らず、あらゆることに共通する目標でもあるのです。
私一人では、出来ることは限られますので、4月よりさらにスタッフを増員しました!
医師、看護師、管理栄養士、クリニカルサービス(受付)…と、いつものメンバーの中に、
糖尿病療養指導士(CDEJ)、健康運動指導士、病態専門栄養師、
そして、心理療法士、治験コーディネーター(CRC)など、糖尿病の治療にも詳しく、
かつ糖尿病の療養生活の難しさにも理解の深いスタッフを揃え、
『何が出来るのか』
これを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
そして、命ある我々はみな健康で幸せになれますように・・・。
強く、強く、願います。