88弾
シリーズ生活習慣病 第88弾!2013.10月号
安かろうは良かろう?
「1円でも他店より高かったら…」
という家電量販店のセリフも耳に慣れました。
牛丼にしても、ファストフードにしても、
価格競争の波に飲まれ「安かろう良かろう」に切磋琢磨…
そのしわ寄せは、人件費に加えて材料費。
一方、ジェネリック医薬品(製薬会社が開発した、医薬品の特許が切れた後に、
別メーカーが同じ有効成分でつくる薬・後発医薬品)は…
「安いのに同じ薬?」
中古車や割れせんべいならまだしも、同じ薬のはずがありません。
先日『後発品に薬局で変えられたら脈拍が増えてドキドキ苦しい…』
と患者様から電話があり、急いで元に戻してもらいました。
「私は後発は飲みません」と言っていた、
後発品の営業マンの正直さに驚いたことを思い出しました。
さて、安くなったお陰で運動人口が増えたスポーツジム!
体育の日に合わせた新聞発表によると、
高齢者の体力がぐんぐん上がっているようです。
加えて子供たちの身体能力も向上しているとか。
喜ばしいことですね!
筋肉量が増えることでエネルギー消費量は増え、
運動習慣によりインスリンの効きがよくなり、
血糖値や血圧、精神的にも良いことだらけ。
なにより、寝たきりにならないことが一番のご利益です。
心臓等の臓器は20歳までに出来あがりますが、
筋肉トレーニングは70歳だって遅くはありません。
ちなみに、お散歩は無料です。
歩くだけでも十分ですから、頑張っていきましょうね!
87弾
シリーズ生活習慣病 第87弾!2013.09月号
ストップウォッチ
決定、東京五輪!
でも、あまり気乗りしませんでした。
被災地を訪れてから『彼らの気持ち』が度々脳裏をよぎります。
五輪準備金4500億円、
自分達の被災地に使って欲しい…
「東京、よかったですね、でも私はテレビで観戦、震災でこんな状況なので…」
リポートに涙があふれました。
同じ日本人でこれだけ人生が違うとは…
糖尿病も人生・生活が変わる出来事。
あれこれ我慢、嫌いな運動…とストレスがたまる患者様。
でも、病気でなくても食べ過ぎれば太り、運動不足で足腰は弱る。
努力をされている多くの方々…
健康を保つため一緒に頑張っていきましょうね!
小学生の時「ストップウォッチ、あれば持参を」の連絡網、
父がわざわざ買ってきてくれました。
『チチチッと針のよい音!』とお気に入り。
突然父親から「3分間で○○について述べよ」
みたいなトレーニングを受けたり…
思い出の父の遺品を、五輪が決まった日に偶然発見。
当時は猫に小判、
なんとスイスのオメガ社製の手巻きストップウォッチだったのです!
傷がついたガラスの風貌に、変わらぬ懐かしい秒針の音…
父の愛情を今頃…(涙)。
『頑張る未来の子供たち』のため、復興も五輪も大切です。
東林間のクリニックはバリアフリー。
車イス、眼や耳の不自由な患者様、頑張っていらして下さいます。
2020年東京。
パラリンピックも絶対に見に行きたいですね!
86弾
シリーズ生活習慣病 第86弾!2013.08月号
笑み
…20年ぶりに行ってきました、イタリア!
懐かしい風景、美味しい料理、明るい笑い声…
でも日本とちょっと違うのは体格。
中年以降の方々は、素敵なちょいワルからでっぷり体型まで、
皆さんの予想の範囲内ですが、
若者のほとんどがすらりとした美男美女。
リストランテでも、かなりの量のパスタやピザの大きさを見ると
『太って当たり前』
なのになぜ若者はやせているのでしょうか?
早速、現地でインタビューしてきました。
その結果、
(1)結婚までは男女ともスタイルをよくしたい。
(2)よって、大好きなパスタは、せいぜい週に2回にしている。
(3)普段は野菜をよく食べる。
(4)結婚したら、もう周りの目を気にしない人は、毎日パスタにピザにワイン!
(5)でもまだまだモテたいひとは食事を制限している
と…。
糖尿病の人は?
(6)まずは野菜から食べている。
パスタはシェアするか、残している、私自身も糖尿病だし!
…これって事情は同じなのに、さすがファッションの国イタリア、
体格が命なんですね。
あと、自販機やコンビニがほとんど無く、
ピッツェリアやスパーにわざわざ買いに行かないと
手軽な飲食も買えない環境ではあります。
でも、親が太っていると、やはり食べ過ぎてしまう性格は遺伝する
とも話してくれました。
遺伝といえば、飛行機の機内食が終わり睡眠時間の暗い中、
読書灯をつけてノートを広げて勉強している長男の姿が、
学生時代の私とそっくりなのには驚きましたが、
笑みがこぼれたよい旅でした。
85弾
シリーズ生活習慣病 第85弾!2013.07月号
元気のもと
サクッと梅雨が明けて、急に暑くなったためでしょうか。
部屋の熱さに耐えながら頑張っていたスタッフも、数人ダウン…
幸い、休養と給水ですぐに元気になりましたが。
「(500mlペットボトル)3本は水を飲んでいたんですが、
排尿はありませんでした」
…つまり、脱水だったのです。
大量に汗をかかない季節でも、
運動をしない状態で、体重の1/30の水が必要です。
これに、運動が加わり、あるいは夏の自然発汗の分を足して飲まないと、
尿が出ない危険な状態になります。
「喉が渇く」「尿が出ない、出ても色が濃い」は危険信号。
「体がだるい」は緊急事態です!
ところで、脱水でもないのに元気がない、という患者様が…
調べてみると、『甲状腺機能低下症』
甲状腺ホルモンという、元気のもとになるホルモンが少なかったのです。
なかには、『バセドウ病』や『橋本病』で、
しっかりお薬を飲んでいたのに症状が出る患者様が、
なぜかうちにやって来て、調べてみると、
ホルモンの値が正常範囲内に入っていない!
よくよく聞いてみると、めったに採血しないでお薬だけもらって…
ちなみに私は採血結果を見て、
「あと半分を3日に1回」とか「5日で3錠」
という難解な微調整をしたりします。
たまには、採血やエコー検査をしてくださいね!
元気のもとの甲状腺ホルモン調整、水、休養、
あとは…
愛情と笑顔で、今年の夏も頑張ります!
84弾
シリーズ生活習慣病 第84弾!2013.06月号
8765 花婿(はなむこ)
天国、行ってきました!
(と言っても本物の天国ではなく、銀座の天ぷら屋さんでもありません(笑))
熊本にある、馬肉料理屋さんです。
お料理は馬肉のフルコース。
初めての本場馬肉料理に、期待と不安が…
まずは、馬刺のとろける舌触りに、一発先制パンチ。
レバーもクセがなく、次々に女将から馬肉攻撃を受け、
最後は、馬肉しゃぶしゃぶでノックアウト!
見た目はあんなにアブラがあるのに、こんなにサッパリした…
『馬肉は身体にいいんですよ~』の解説に、
酔いも回って、思わずうなずいてしまうところ、そこは我々プロ集団
「食べ過ぎればカロリーオーバーです」と、
きちんと女将にお返事しました。
(自分たちはフルコース食べていることは棚におき(笑))
…そうです、我々は日本糖尿病学会で熊本に行ってきました。
今回の変更点は、ズバリ『HbA1cの目標値』です。
昨年からの移行期間を経て、
0.4%プラスした、国際基準(NGSP)値しか使わなくなることに加え、
高齢者など、コントロールが難しい場合は8%未満、
合併症を起こさないためには7%未満、
正常化(完治ではありません)は6%未満にしましょう!
というのが、今回、学会で発表された熊本宣言でした。
8%、7%、6%… 覚えやすいでしょっ
という狙いらしいですが、かなりアバウトですよね。
いろいろ裏話は聞きましたが… 皆さんには内緒です。
「えぇ~」
ではちょっとだけ。
高齢者等は、100歳まで生きたい方は想定外、
当院に通っていただいている、ひそかに長生きしたい方々は、
もう少し頑張っちゃいましょう!
完全正常は5.5%未満で卒業です。
ただし、低ければ低いほどよいわけではなく、
低血糖が頻発するのは危険です。
ゆっくり、しっかり、確実にHbA1cを下げて、
100歳を目指しましょう!
私の友人が、やっと7月に入籍します。
「やっと婿になれるよ!」
うんうん、よい8765(花婿)…
83弾
シリーズ生活習慣病 第83弾!2013.05月号
相談相手
早いもので、6月で鶴間分院も、開院して5年になります。
数多くの患者様が、様々な問題を抱え、糖尿病に立ち向かっています。
本当にいろいろな相談を受けるので、
外来はやりがいがあり、飽きません。
すべての悩みに私がお応えしたいところですが、
餅は餅屋にお願いするのが、世の中の道理というもの(…セリフがレトロ(笑))
当院では、
お食事→管理栄養士
運動→健康運動指導士
ストレス→心理カウンセラー
エコー→臨床検査技師
そして、生活・介護→介護福祉士!
今までは、看護師やクリニカルサービス(医療事務)が、
生活や介護のご相談のお手伝いをしていましたが、
当然、専門知識はプロにはかないませんし、
本来のスタッフ業務に、少なからず支障が出ていました。
通院されている患者様の、介護を中心に、生活の悩みを解決すべく、
今年から介護福祉士を配置し、予約制で相談を受けています。
今や、介護は様々なサービス形態があり、
どこに何をお願いすればよいかが難しい状況です。
そのご相談を、ゆっくり懇切丁寧に、
その方にとってベストな方法を提案しています。
『誰も教えてくれないこと』を相談できる相手がいる…
こんな安心できるシステムは嬉しいですよね!
大きな病院にある安心を、クリニックで細かく対応…
かねしろ内科の濃厚なサービスを、ぜひご堪能くださいね。
そういえば、今から熊本で学会かぁ…
『どこに美味しいお店があるか…』
誰に相談しようかなぁ…(笑)
82弾
シリーズ生活習慣病 第82弾!2013.04月号
骨折しました
桜も終わり、運動日和の季節になってきました。
この私も、6月の皇居駅伝に向けて、ジムで走っております!
『運動はなんのためにするの?』の問いに、
皆さんは、すらすらお答え頂けると思いはしますが、念のため。
一番の理由は「寝たきり」にならないためです。
筋肉は使わないと、どんどん退化し、なくなっていきます。
入院中、ベッド上安静を強いられた方は、すぐに歩けなくなるのをご存じかと。
次に、“カロリー消費”とは言うものの、
私が時速8kmで1時間走っても、
たかだか消費エネルギーは500kcalちょっと。
7で割り算して、約70gの脂肪しか燃えません。
運動後に「○○kg減った!」と喜んでいる方がたまにいますが、
あれは大変危険な“脱水”です。
運動後は少し体重が増えているくらいが安全です。
運動前・運動中・運動後に、充分水を飲んで下さいね。
喉が渇いたら、もう手遅れです。
ちなみに、毎日70g×28日=マイナス2kg!
継続は力なり。
三番目の理由は、インスリンの効きを良くするためです。
みるみる血糖値は下がります。
この、運動による血糖改善効果は、
2日連続して運動をサボると、もとの身体に戻るため、
隔日以上での運動が必要です。
筋肉を使うことなら、なんでも効きます。
そんなわけで、かねしろ内科では、運動療法を皆でやっています。
先日、私は軽く走ったら…
なんと、左足の土踏まずの近くを破砕骨折!
きっと着地が悪く、この体重をほんの小さな面積で受けてしまったんですね。
6月の駅伝、延期です(涙)
81弾
シリーズ生活習慣病 第81弾!2013.03月号
忘れない
久しぶりに、奇跡的に時間がポツンとあいたので、
スタッフと会議を兼ねて近所のレストランにランチへ行きました。
四人組の女性客が少し離れた席に。
するとかすかに『かねしろ…』という名前が聞こえたような…
息を殺し、耳をそば立て…
『やだ、ほら、あの駅の所よ、かねしろさんが今度新しく作っているみたいでね、
そうなのよ、スルガ銀行の真ん前でね、今度は階段が無いのよ、前みたいに。
だから車イスとか、足の悪い○○さんとかね、
今まで行けなかった人に紹介しているのよ、私…』
ホッとしました。
どんなうわさ話をされてしまうのかと、内心ドキドキしながら聞いていましたが、
どうやらうちのファンらしく、彼女たちの席までご挨拶に。
すると、彼女たちはうちの患者様ではないのに、
通っている人から聞いてのことだということなのです。
さらに、『え〜本物? 金城先生ってこんなに若いの?』
嬉しくて、お会計一緒にしてしまおうかと思いました(笑)
3・11に開院した理由…
それは絶対に忘れないため。
人生、嬉しいことも、悲しいことも必ずあります。
患者様の血糖値が改善して喜び、
しかし、悲しむべき合併症が起こりうることも、忘れてはならないのです。
震災も合併症も、突然起こることを忘れてはいけません。
『東林間かねしろ内科クリニック』、開院いたしました。
80弾
シリーズ生活習慣病 第80弾!2013.02月号
プラーク
「眼科? そのうち行ってきます」
「健診、最近やっていませんね…」
糖尿病の治療のため、毎月通院してくださる患者様も、
他の合併症やがん検診に、なかなか足が向かないようです。
まぁ、症状が無いのに行こうと決意してもらうのも難しいですよね。
私は、祖父は肺の病気、父が食道がん、
母が高コレステロール血症、おじが痛風、
といろいろあるため、定期的に検診をしています。
眼科で眼、耳鼻科で声帯まで内視鏡(よくしゃべるので(笑))、
胃と大腸の内視鏡、腹部超音波(エコー)、CT、MRI、PET検査…
実はかなりやっています。
しかし、脳と歯科は最近さぼっているように、
つい「面倒」と思ってしまうのもわかります。
3月11日の「東林間かねしろ内科クリニック」開院へ向けて、
検査部門を充実させます。
他院の眼科さんへ行く時間のない方のために、
月に2回ほど眼科医に出張してもらったり、
臨床検査技師を常勤3名体制とし、お腹や甲状腺、頸動脈のエコー、
神経伝達速度(異常)のチェックをできるようにしました。
私もさっそく検査をしてみると、
なんと!この私の頸動脈にプラークが…
いわば「水道管の汚れ」のようなもので、このプラークが大きく育ち、
はがれて脳に運ばれると「脳梗塞」に…
まだまだ小さいものの、脳ドックをさぼっていたツケですね。
当院では、川田検査技師が
頸動脈エコーのグランプリ(日本一)を獲るほどの腕前で
皆様のプラークを見つけてくれます。
合併症「なし」を目指しましょう!
79弾
シリーズ生活習慣病 第79弾!2013.01月号
スポーツドクター
普段は、朝から晩まで糖尿病の診察をしている私。
実は『スポーツドクター(日本体育協会公認)』なる資格を
ずっと前から持っています!
そうです、スポーツ選手のサポートをすれば、
オリンピック選手村にだって行けちゃいます(笑)
まあ、そんな夢の時間は永遠になさそうですが…
ところで、ゴルフの練習を始めて9カ月位になりますが、
上達してくるといろんな会話が楽しくなるものです。
以前にも書きましたが、トーナメントプロと一緒にプレーをして、
目の前で見るショットは半端なくすごいです!
でも、テレビに映るプレイヤーはほんの一部。
1000人以上の予選を通過しないと出場出来ない、超狭き門…
そこで、いつも一緒に練習・プレーをしている
○○○○、○○○○、○○○○の選手3人を、
私はサポートすることになりました!
「これで安心してプレーに集中できます」と。
サポートといえば、今後増え続ける高齢者、
その1割は認知症、さらに運動不足で寝たきりに…
このダブルパンチだけは避けなければいけません。
特に足の筋肉量が、体重の30%を切るとアウトです。
かねしろ内科クリニックでは、運動は健康運動指導士の大塚、
心のケアは心理カウンセラーの池田を中心に、
集中サポートを行っています。
『健全な…』やはり体力と精神のバランスのもとに、
医療を展開して行きたいものです。
3人の選手もきっと活躍し、
TVで『かねしろ内科クリニック』のロゴが見られれば…
楽しみですね!